『テニスの王子様』は楽屋から役になりきっていた

――演技に興味を持ったきっかけを教えてください。

青木 実は、いつの間にかお芝居が好きになっていて、あんまり覚えていないんです。19歳のときに友達と一緒にエイベックスのオーディションに応募しましたが、その時点では明確な目標はなかったんです。ただ将来を考えたときに、自分は同じ会社に何十年も務めて、何か結果を残すことより、未知の世界で挑戦してみようと思い、この業界に入りました。

――「劇団4ドル50セント」に入るまでに演技経験はありましたか?

青木 「劇団4ドル50セント」のオーディションを受けるまでは、お芝居に触れたこともなかったです。ただ劇団員全員が同じスタートラインで、誰かが突出して演技が上手いというわけではなかったので、その環境が良かったかもしれません。仲間であり、ライバルでもあったので、その中で闘争心を燃やして、頭一つ抜けてやろうと思っていました。

――演技経験がない中、レッスン以外で自分なりに努力したことはありますか?

青木 いろんな映画やドラマを見ることです。人のお芝居を見て、特徴を掴んで、その人の演技プランを勉強しました。同じ役者さんでも、若者、中年、老齢の方と、お芝居は全然違うので、それが面白いです。ベテランの役者さんの演技を、今の自分がやってみてもありなんじゃないかと試してみたこともあります。それは結果的に良くなかったんですけど(笑)。自分だけで考えるのではなく、人の演技を目で見て、耳で聞いて勉強することは重要です。

――ターニングポイントになったお仕事を教えてください。

青木 『テニスの王子様』です。その経験が『仮面ライダーセイバー』にも繋がっているのかなと思います。先ほどお話しした剣戟にしても、何かを持っての演技って、空いたほうの手を持て余してしまいます。そこは『テニスの王子様』をやったことで、自然な動きをすることができましたし、大きく体を動かして、いかに自分を強そうに見せるかという演技は、手塚部長で経験したことが活きています。

――『テニスの王子様』は熱心なファンが多いことで知られています。プレッシャーも大きかったのではないでしょうか?

青木 そうですね。原作のコミックやアニメが好きで観に来てくださる方が多いので、イメージとかけ離れてはいけないですし、もともと僕自身、アニメの『テニスの王子様』が大好きだったので、声優さんの演技を参考にさせていただきました。僕の演じる手塚部長を見て、「この人の手塚いいかも」って思ってくださるお客さんもいらっしゃって、そういう感想をいただけると嬉しいですし、もっともっと工夫しようと励みになりました。

――約3年間、手塚部長を演じられましたが、普段から役に入り込むようなことはありましたか?

青木 さすがに普段の生活ではないですけど、楽屋での立ち居振る舞いは役に近いですね。これは僕に限らず他の出演者もそうで、本番の1時間前ぐらいになると自然と役に入っていくんですよね。

――最後にティーンにメッセージをお願いします。

青木 僕が、この世界に入るとき、厳しい世界だと否定的な意見を言う人もいました。でも強い心を持って、しっかりと話し合うことで、相手の方にも納得してもらいました。誰かに言われて何かするよりも、自分で行動したほうが良い選択に繋がりますし、たとえ失敗しても自分に納得できるはずです。

Information

富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ役でレギュラー出演中
『仮面ライダーセイバー』
テレビ朝日系列で、毎週日曜午前9時で放送中

7月3日からオフィシャルファンクラブもスタート!

オフィシャルサイト

青木瞭(あおき・りょう)

俳優

1996年2月26日生まれ。神奈川県出身。応募総数約5,000人の中から選ばれ、2017年8月より
「劇団4ドル50セント」の劇団員として活動を開始。ミュージカル『テニスの王子様』(2018〜2020年)の青学部長 手塚国光役が話題を呼ぶ。2020年9月より、『仮面ライダーセイバー』(テレビ朝日系)にて“富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ”役でレギュラー出演。

Photographer:Hitokazu Nishimura,Interviewer:Takahiro Iguchi