俳優の世界に飛び込んでから知ったギャップと反骨精神

――醍醐さんが俳優という仕事を選ばれたきっかけを教えてください。

醍醐 最初は完全に勢いで、友達に勧められて始めました。その時は将来やりたいこともなかったので、挑戦してみようという感じで。

――思っていた世界とは違いましたか?

醍醐 全然違いました。最初は、何も分からなかったので、事務所に入ったら一瞬でお芝居できるようになるって思っていたんです。入った瞬間からキムタクみたいになれる、みたいな、そんな誤解がありました。すぐにスーパースターになれるのだと。今思えば当たり前ですが、やっぱり全てに対してちゃんと向き合わない、努力しないと人は付いてこない。昔と比べて、考え方はかなり変わったと思います。

――最初はワークショップやレッスンに行かれていたんですか?

醍醐 レッスンもワークショップもいくつか参加しましたし、1年くらいエキストラも経験しました。エキストラをやって数カ月経った16歳の頃でしたが、とても寒い現場で主要なキャストの方々があたたかいベンチコートとかをもらっている中で、自分たちはストーブの周りで震えながら暖をとっているのが何かちょっと悔しいなって。反骨精神じゃないですけれども、どうやったらあっち側にいけるんだろう、みんなと違うことしないと始まらないんじゃないかとか。そこから俳優というものを仕事としてしっかり考えるようになったのかもしれないです。

――まさに反骨精神ですね。

醍醐 今でも大事にしている感情で、その時の気持ちがあるから頑張れている部分もあると思います。

――高校生の時に影響を受けた本や映画はありますか?

醍醐 本というか漫画になっちゃうんですけど、『ONE PIECE』です。前から読んではいたんですけど、10代で大人に混じって仕事をしているときに、「大人って何だろう」ということを思い始めたタイミングで改めて1巻から読み直しました。結果、「真っすぐに生きていてカッコよければ、子どもでも大人でも関係ないや。自分の芯を持っていて、そのまま進んでいったら自ずとなにかしらついてくる。何でもそつなくこなせることだけがいいわけじゃないんだな」って思うようになりました。『ONE PIECE』にそんな事を教わった気がします。

――特に推しのキャラクターはいますか?

醍醐 コラソンです。ローとコラソンの2人推しなので。そろそろお話も終わりに近づいている雰囲気があって寂しいです。毎週月曜日を本当に楽しみにしているので、どうやって生きていこう。楽しみが減りますよね。

――醍醐さんの様に『週刊少年ジャンプ』本誌派の方は、本当に月曜日のとらえかたが変わってしまいますよね。最後に、ティーン世代にむけて、夢に近づくために、やりたいことを実現するためのアドバイスをお願いします。

醍醐 辛いことがあっても、好きでい続けるというのは、やりたいことを実現するために必要だと思っています。どんな状況の時も、しんどい時も、その中でいかに楽しみを探し出せるかがコツなのかな。何でも継続してやっていたら、それなりのレベルにはなれるけれど、どうやったら辞めないでいられるかが大切なのかなと思います。壁にぶち当たったとしても、「楽しい!」って思えたら継続できるので、結果夢に近づくのではないかと思います。

Information

『野球部に花束を』8月11日公開

中学時代の野球部生活に別れを告げ、高校デビューを目指し茶髪に染めて入学した黒田鉄平。夢見たバラ色の高校 生活は、うっかり野球部の見学に行ってしまい、あっけなくゲームセット。 新入生歓迎の儀式で早々に坊主に逆戻り、、、 練習以前に、グラウンド整備や白線引きにすら怒鳴られる日々。おまけに一目惚れした同級生は、なんと先輩の妹(手を 出したら、即死)。そしてヒエラルキーの頂点に立つのは、ヤバい見た目と言動で3年生をも震え上がらせる最恐の監督。 強くはない、けど別に弱小でもない。そんな中途半端な並の都立高校野球部で、助け合ったりいがみ合ったりしながらも 生き延びていく黒田ら1年生。そして、恐れていたはずの“伝統”に、気がつけば自分たちも染まっていた……。

出演:醍醐虎汰朗 黒羽麻璃央 駒木根隆介 市川知宏 三浦健人/里崎智也(野球解説者) 小沢仁志/髙嶋政宏

原作:クロマツテツロウ『野球部に花束を ~Knockin’ On YAKYUBU’s Door~』(秋田書店「少年チャンピオン・コミックス」 刊)
主題歌:電気グルーヴ「HOMEBASE」 (C)macht inc.
音楽:海田庄吾
監督・脚本:飯塚健

(C)2022「野球部に花束を」製作委員会

公式サイト

醍醐虎汰朗

俳優

2000年9月1日生まれ、東京都出身。2017年、人気漫画原作の舞台「『弱虫ペダル』 新インターハイ篇~スタートライン」の一般公募オーディションで主人公の小野田坂道役を射止めて俳優デビュー。映画『兄に愛されすぎて困ってます』(17)やTVドラマ『先に生まれただけの僕』(17)などに出演したのち、新海誠監督の「天気の子」(19)で主人公・森嶋帆高役に大抜てきされ一躍注目を浴びる。舞台『千と千尋の神隠し』が大きな話題を呼んだほか、公開待機作に『カラダ探し』など。今秋より放映予定のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』への出演も控えている。

Photographer:Koji Osada,Interviewer:Kozue Nakamura