ドストレートに愛を伝える曲が歌えて嬉しかった
――新作『TOUCH ME/LOVE』のお話からお伺いしたいのですが、「TOUCH ME」はどんな曲でしょうか。
チャントモンキー(以下、チャント) 初めて歌詞を見たときに、何かに後悔をしている曲なのかなって感じたんですけど、何度も歌っていくうちに、すごく前向きな曲だなと思いました。なかなか遠出のできない状況ですけど、遠くにいる大切な人を思いながら聴いたり歌ったりできる曲です。私自身、福岡から上京して活動しているので、大切な家族や親友を思い出すこともありますし、「君の笑顔を埋め尽くす夢を見たいな」というパートでは研究員(※BiSファンの呼称)やお客さんを思いながら歌っています。
ネオ・トゥリーズ(以下、ネオ) 聴く人によって、それぞれ思い浮かべる相手は変わってくるよね。
イトー・ムセンシティ部(以下、イトー) もともと「TOUCH ME」は、昨年7月8日にリリースしたカセット『イミテーションセンセーション』のシークレットトラックとして入っていた曲なのですが、カセットで聴くと懐かしい感じがします。今回、約1年越しでCDに収録されて、改めて優しい暖かみの溢れる曲だなと思いました。
――「LOVE」は直球のタイトルですね。
イトー 最初に曲を聴いたときは、こういうドストレートに愛を伝える曲が歌えるんだなって嬉しくなりました。

ネオ 今までのBiSになかった曲だよね。
イトー むしろ、これまではMCでも、自分たちが作詞するときでも、愛や好きという感情をそのまま描いたりせずに、その気持ちをどう伝えるか考えてきました。
トギー 好きって簡単に言えちゃう言葉だからね。今までのように、そういう言葉を使わないのもいいし、逆にあえて直球に行くことで、すごく伝わるものもあると思います。
イトー 曲調はパンクっぽくて力強い。
トギー 青春っぽい感じ。
ネオ 歌詞だけ見たら重い感じがするけど、音に乗せると明るい気持ちになれるハッピーな曲です。
イトー いろいろあるけど、結局は全てを受け入れて愛を伝える曲になっています。
トギー 世の中には「愛をあげる」って曲はたくさんあると思うけど、「愛が欲しい」って伝える曲ってあんまり聴いたことがない。
チャント 確かに。これだけストレートな曲はないかも。
トギー 歌い方も暑苦しいよね。
チャント めちゃくちゃ暑苦しい。
イトー 「俺、間違ってない!」ぐらいの勢いで(笑)。
チャント レコーディングで、サウンドプロデューサーの松隈(ケンタ)さんから、「今回は感情的に」って言われたので、力強く、暑苦しく、でもみんな楽しそうに歌いました。個人的には「一つだけあるよ」っていう歌詞があるんですけど、「あるよ」のところを、私は福岡出身なので、こっそり福岡の方言で「あるんよ」って歌ったんです。

イトー 最初に前触れもなく歌ってから、「今、方言バージョンだったんです」って言ったんだよね(笑)。
チャント 松隈さんに「もっと分かりやすく歌わないと気付かないよ」と言われて、「あるんよ」ってめっちゃ強調して歌ったら、それを使ってもらえました。