新シーズンで生まれた新たな現場の盛り上がり

――『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』は、ディーンさん、岸井ゆきのさん、ユースケ・サンタマリアさんの掛け合いがとても素敵ですよね。

ディーン この3人は一緒にいる時間が長いですからね。最初のシーズンからトリオでやってきているので。岸井さんもユースケさんも、ムードメーカーで、面白くて、現場の空気をすごく華やかに明るくしてくれるし、もちろん、役者としてもパッションを感じる方々です。他にもシーズン1から引き続き佐藤隆太さんがいらっしゃったり、シーズン2になって(吉本)実憂ちゃん演じる新人捜査官の奥田が登場したり、トリオとはまた違う形になってきて、それも面白さの一つだと思います。

――吉本実憂さん演じる奥田の登場がさらに新しい風を吹かせているというか、物語の盛り上がりを感じました。共演されていかがですか?

ディーン 彼女は、アクションに対しての向上心や興味があるので、現場でそういう話をしました。自分は、撮影用に使う武器のコレクションや、ボクシングの防具、運動する機材をたくさん持っているので、それを現場に持って行ったりすると、(吉本さんの)テンションが上がって、「使い方を教えてください!」と質問してきたり。自分も教えるのは楽しいので、実憂ちゃんが来てからそういう現場の盛り上がりが生まれました。

――素敵な現場ですね。シーズン2の脚本を読んだときの感想を教えてください。

ディーン 民放の地上波で放送するのと、Huluの様な配信とではコンプライアンスのルールが全然違うので、「これどうやって撮るんだろう?」という展開が多くワクワクしました。シーズン1も後半の7話8話くらいからのラストスパートは、すごくスリリングな展開になっていて個人的に特に好きでした。シーズン2ではまた新たな物語がスタートしますが、シーズン1からの流れの軸がしっかりあって、脚本がちゃんと揃っているから、こうして作品作りに取り組めるんですよね。改めて基本が大事だと思いました。

――配信ならではの演出や描写はどんな事がありますか?

ディーン まず、色々な銃火器が使えるようになりました。血糊の質感とかも分量も変わったので、生々しさ、リアルさが増したと思います。あと音ですね。コンプライアンスのレベルが違うと使える音とかが変わってくるんですよ。そうした、細かなディテールも楽しんでいただきたいです。

――作品に登場する科学捜査も、巻き起こる事件も、映画のように壮大になっていきますね。

ディーン 新しいテクノロジーが生み出す光と闇というものは常にあるわけですよね。人々の日常の中に新しいテクノロジーが恩恵をもたらすような形になっても、それをどう使うのかは自分たち次第で、価値観というものに常に揺さぶられると思うんです。「これが出来たら便利だけれど、倫理的に正しいのか?」ということを常に問われている。神と悪魔の対話のようだと感じました。科学の発達が、人間をどう揺さぶるのか、テクノロジーは社会にどう影響するのかというところも含めて、個人的にも興味を持ってこのプロジェクトに挑ませてもらっています。