道枝駿佑さんは心が綺麗で、優しいけど擦れてない

――シリアスなシーンもありつつ、二人はたくさんの場所をデートします。中でも点描のように様々な場面が繋がるデートシーンは微笑ましかったです。

福本 そのデートシーンはクランクインの日に撮ったんですけど、決まったセリフがなくて全部アドリブでした。監督もスタッフさんも遠くにいて、「二人で行ってこい!」という状態だったので本当に自由でした。そのシーンではリアルに自然体で楽しんでいる二人を見られるんじゃないかなと思います。中でもおみくじのシーンは、台本だと透くんが凶を引くと書いていたのですが、本番では大吉を引いて(笑)。すごく面白かったから、それが採用されました。

――透を演じた道枝駿佑さんの印象はいかがでしたか?

福本 道枝さんとはドラマでご一緒させていただいて、2回目の共演ですが、相変わらず心の綺麗な人だなと。原作を読んだときに「透は道枝さんにそっくりだな」と思いました。「透くんは優しいけど擦れてない」という真織のセリフがあって、本当にそのまま道枝さんに当てはまりますし、スラッとしているという外見の情報も似ているなと思いました。原作からそのまま飛び出してきた感じですね。

――高校が舞台の映画ですが、読者に向けて、本作の見どころを教えてください。

福本 まさに真織と透くんと同世代ですよね。私自身、この作品に出会うまで、あまり記憶について考えたことがなくて、水とか空気みたいに記憶はあって当たり前だと思っていました。でも、実際に記憶障害の方もいらっしゃいますし、真織が何気ない日常を動画に撮って、一日一日を一生懸命あがいて生きようとする姿に、私自身も勇気をもらいました。高校生の時期って楽しいじゃないですか。私も思い返すと高校時代が一番楽しかった。何気ない日常が一番楽しかったですね。大人になると、あんなふうにバカ笑いできることってないし、この映画は、その一瞬一瞬を大事にしようと改めて思わせてくれる作品です。