もともと「不良」のアクション映画が好きだった

――1980年代に熱狂的な支持を受けた、元祖ヤンキー映画ともいえる『ビー・バップ・ハイスクール』の、その後を描いた映画『ビーバップのおっさん』で、主人公テルの娘役・美穂を演じていらっしゃいますが、そもそもヤンキー映画についてどのような印象をお持ちでしたか?

園田 めちゃくちゃ興味がありました。ただ『ビー・バップ・ハイスクール』は知らなかったので、Netflixで観ました。ヤンキー映画の元祖として興味があって。もともと『クローズZERO』とか『HiGH&LOW』とか、不良のアクション映画が大好きなんです。

――『ビー・バップ・ハイスクール』ではW主演の一人で、『ビーバップのおっさん』でも引き続き女性にモテるヒロシを演じた清水宏次朗さんの印象はいかがでしたか?

園田 ヤンキー感が漂っていました(笑)。一方で内面からにじみ出る人情味というか、温かみのあるお人柄が素敵だなと感じました。

――美穂の父親役、テルを演じた白井光浩さんについてはいかがですか?

園田 笑顔がめちゃくちゃ素敵で、優しさに溢れた方です。撮影時の写真を見返しても、白井さんの顔を見ただけで、心が揺さぶられるというか、本当に優しい人でした。現場でも優しくて、私と、順子を演じた(杉本)愛里ちゃんにお寿司をごちそうしてくださいました。私がホタテが大好きなことをご存じで、ホタテづくしのお寿司を買ってきてくださったんです。

――園田さんを本当の娘という感じで接していらしたんですね。脚本を読んだときは、どんな印象を受けましたか?

園田 共感できる部分がありました。人生には出会いと別れがあるから、家族だっていつどうなるか分からない。動物もそうだと思います。この間、テレビでカルガモの引っ越しシーンをみたのですが、めちゃくちゃかわいくて。お母さんカモに続いて子ガモが10羽いたのですが、途中で何羽か迷子になっちゃったり。それを見ていると、人の出会いというものは奇跡だな、と。家族はいつまでも一緒じゃないんだとも思ってしまいました。

――カルガモと人間を重ね合わせたんですね(笑)。園田さん演じる美穂には儚げな雰囲気を感じました。

園田 美穂ちゃんは自分に似たところが多かったです。15歳で上京して5年間東京でひとり暮らしをしていた自分と、おにぎり屋さんでアルバイトしながら頑張っている美穂ちゃんが自分の中で重なりました。

――強面の方も含め、現場には様々な世代の方がいらっしゃったと思いますが、雰囲気はいかがでしたか?

園田 めっちゃ楽しかったです。今まで見たことのない髪型の人もいて「どうなってるんだろう」って思いました(笑)。年齢もバラバラで、そういう意味では初めての現場でしたね。撮影は11月頃だったんですが、あまりにも寒すぎて、待ち時間に近所の100均でモコモコの靴下を買ってはいたり、カイロを貼ったりしてしのいでました。

――特に印象に残っているシーンはありますか?

園田 クライマックス近くのアクションシーンです。目の前で行われるアクションが凄まじくて。ずっと至近距離で見ていたので、すごいなと思いましたね。お父さんが戦うシーンでは、美穂になりきって演じることができたので皆さんに見てもらいたいです。