タイトルのルーツは実験的な曲づくり。作品のテーマに沿って「キャッチーさ」を強調
――3rdアルバム「歌楽的イノセンス」のテーマは「カノエラナ的アニメオープニング主題歌」です。なぜ、このテーマになったのでしょうか?
カノエラナ チームでアルバムのテーマをどうしようかと話し合った際に「アニメ主題歌をイメージしてチャレンジしてみよう」と決まったんです。小さい頃からアニメが大好きで、いつかアニメのオープニングやエンディングを担当したかったので、収録曲の『キンギョバチ』をアニメ『永遠の831』の主題歌として書き下ろせるとなったときは、走り回るほど嬉しかったです。
――ジャケットや衣装など、アートワークのこだわりを教えてください。
カノエラナ タイトルが「歌楽的」なので、安直ですけど「科学者っぽい服がいいかも。だったら白衣着ちゃう?」みたいな話になりました(笑)。ジャケット撮影では、自宅にある道具や普段使っているノートを、小道具として持ち込みました。ネクタイとか、自作のアクセサリー類とか。そこがこだわりかなと思います。
――全10曲中、新曲が7曲。アルバムの場合、集中して複数の曲を作る苦労もありそうですが、悩むことはありましたか?
カノエラナ 全然悩まないタイプなんです。これまでの作品では音源になってない曲から、どれにしようかなと選び放題みたいなところもあったんですけど、今回は、今まで私が作ってきた作り方を変えてみるという裏テーマがあったので、そういう意味では初めての試みでした。めちゃくちゃ新しいことでしたね。
――曲作りでモチーフにしたものや、インスパイアされたものは?
カノエラナ アニメをたくさん見たりして、架空のアニメオープニング映像想像しながら曲を作りました。参考にしたアニメの内容はちょっとナイショなんですが。分かる人には分かると思うので、考察してほしいです(笑)。
――タイトル「歌楽的イノセンス」にはどんな想いを込めたのでしょう?
カノエラナ これまではメロディと歌詞を同時並行で考えていたんですけど、今回は、メロディを完成させてから歌詞を付ける方法で全ての新曲を仕上げたんです。その試みが実験的で科学的だったので、モジって「歌楽」として。純粋に音楽を楽しむという「イノセンス」の意味を加えて、『歌楽的イノセンス』というタイトルにしました。
――曲作りの方法を変えようと思った理由は?
カノエラナ 個人的に、アニメ主題歌にキャッチーなイメージを持っていたんですけど、私の楽曲は「キャッチーさが弱いのかな」と思って。アニメ主題歌と振り切って、キャッチーさを強調するには、メロディづくりと歌詞づくりを別々に分けて、落ち着いて考えてみるのが一番かなと思ったのが理由でした。