ワンシーンワンカットで撮るときは燃える
――「WOWOW オリジナルドラマ オカルトの森へようこそ」の出演が決まったときの心境を教えてください。
飯島 SFチックというか今まで挑んだことがない作品のジャンルだったので、すごくワクワクしました。僕の演じるナナシは霊能者で、手から何かが出るところとか、僕の想像と監督のイメージが一致していました。撮影の仕方もこれまでと違ったのですが、いいムードで撮影ができたので演じていて楽しかったです。
――白石晃士監督自身がカメラを持って出演するオリジナルPOV(ポイント・オブ・ビュー=主観視点)ホラーで、長回しのシーンも多かったので、かなり緊張感のある現場だったのではないでしょうか?
飯島 大変でした。まず真夏の山奥で撮影したので暑かったですし、台本で言うとワンシーンが7、8ページもあるので、キャストのみならず、スタッフさんも影や物音に気を付けて撮っていかないといけないので、集中力を欠かさないようにしました。ただ、ワンシーンワンカットで撮るときって燃えるんですよ。「よっしゃー!絶対噛まないぞ」みたいな(笑)。
――どういう意気込みで撮影に臨みましたか?
飯島 白石監督がこれまで撮られた作品のキャラクターのオマージュがあったりして、監督のファンの方も、それを楽しみにしていると聞いていたので、その愛は大切に表現したいという思いで撮影に臨んでいました。
――ナナシは白石監督の映画『カルト』に出てくるNEOというキャラクターのオマージュだそうですが、どんなことを役作りで意識しましたか?
飯島 ナナシは金髪ホスト風カリスマ霊能者というキャラクターなのですが、変にオラオラしているのは違うし、ガンガン大声を出したりするのも異物感がなくなっちゃうかなと思ったので、基本的にナチュラルに、あまり普段の自分と変えずに好き勝手に動いていました。白石監督とは「必殺技を繰り出すときに、これだと攻撃が大になっちゃうから中ぐらいがいいですね」みたいな細かい話をしながら、僕なりのナナシを作っていきました。
――ナナシは人間離れしていて、どんな危機に陥っても泰然自若としていますが、立ち居振る舞いはどんなことを意識しましたか?
飯島 森の中の異物感でありたかったので、みんなが暖色だとしたら、僕は寒色。暑くて汗ダラダラで、ほぼすっぴんでしたけど、一切表情を変えないように気を付けました。主要登場人物の5人は、それぞれ個性が強いキャラクターですけど、ちゃんと会話になってまとまっているのが、客観視すると面白くて。日常では絶対友達にならない5人ですからね(笑)。