『とおいらいめい』には日常の尊さが描かれている

――長回しによる砂浜のシーンでは、三姉妹の立ち位置が計算されているように見えました。セリフはアドリブだったのでしょうか?

吹越 砂浜に、位置が棒で書かれていました (笑)。セリフは冒頭以外全部アドリブです。その時思いついたことを三人で言いあっていました。

――食事のシーンも印象的です。

吹越 座る位置は監督が決めていましたが、食べ方などの指示はありませんでした。セリフを言わなければならないので、あらかじめお魚などは小さく切っておいたものを少しずつ食べる、という仕込みはありましたね。とにかく料理がすごく美味しくて、みんな完食していました。

――三姉妹として共演した、他のお二人の印象をお聞かせください。

吹越 (髙石)あかりちゃんは実年齢も10歳以上違うので、未知の部分はありました (笑)。役ではおとなしくてぼそぼそとしゃべる感じなんですが、ご本人はティーンだからかなり元気で、撮影の合間に歌を歌ったり、自撮りしたり、本当に可愛かったですね。役の上ではちょっと距離感があるという設定なので、現場では必要以上に深入りはしませんでしたが、仲良くしていました。(田中)美晴ちゃんは、オーディションの時、たまたま一緒のペアでした。だから、一緒に決まったって聞いた時はうれしかったです。その場の空気を読めて、大人だけど少女みたいな可愛い方です。ケンカのシーンでも、お芝居の先輩である美晴ちゃんに助けてもらったなと思います。

――読者のティーンに、改めて映画『とおいらいめい』をアピールしてください!

吹越 三姉妹のうち、自分はどの子に当てはまるかなという見方をしても楽しいんじゃないかと思います。三姉妹って映画でもよく出てくる王道のテーマです。人類の滅亡という設定は非現実的ですが、描かれているのは今の日常の尊さです。その辺りをお伝えできればな、と思っています。