俳優もモデルも見せ方や見え方を意識するという部分では繋がっている
――キャリアについてお伺いします。この世界に入るきっかけは何だったのでしょうか?
結木 高校生のときに、スカウトしていただいたのがきっかけです。それまでは芸能界に興味がなくて、サッカーしかやってなかったです。
――いつからサッカーを始めたんですか?
結木 小学1年生からです。中学校まではガチでやっていました。高校に入ってからは趣味程度でいいかなと思って、遊び半分で続けていたんですが、そんなときにスカウトを受けました。
――どうして芸能界に挑戦しようと思ったのでしょうか?
結木 モテるかなと思ったからです(笑)。それぐらい軽い気持ちで入ったので、最初の頃は全然楽しくなかったです。転機になったのは19歳のときです。『ぱんきす!3次元』という舞台に出演させていただいて、演出家の鈴木勝秀さんに出会い、初めて「演出をしない演出の仕方」というものを体験したんです。
――俳優さんに演技を委ねるということでしょうか?
結木 そうですね。それだけ聞くと自由に演じられると思うかもしれませんが、かっちりした演出方法がないからこそ、演じる側はしっかり考えなければいけない。そこが怖さでもありました。そのときに、舞台ってこんなに奥深くて楽しいものなんだと感じて、お芝居に対する向き合い方、捉え方が変わりました。
――現在は舞台以外にも、ドラマ、映画とたくさんの映像作品に出演していますが、芸能活動を始めたときは、どちらに興味があったのでしょうか?
結木 もともとドラマっ子だったので、ドラマや映画のスクリーンに出たいという思いのほうが強かったんですけど、今は舞台も映像も両方好きですね。お芝居で大切なシーンを撮り終えた瞬間の達成感や、舞台で全てが終わってカーテンコールに立っている瞬間の感動など、その都度やりがいも感じます。
――結木さんがお茶の間の知名度を上げたのは、ドラマ初主演でパトレン1号/朝加圭一郎役を演じたスーパー戦隊シリーズ第42作目『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』だったかと思います。
結木 あの作品は、ある種学校みたいなところだったので、1年間かけて、たくさんのことを学ばせていただきました。特撮ヒーロー物に出演するのも初めての経験だったので、スタッフさんも本当に優しく教えてくださいました。
――2019年からはメンズファッション誌『smart』の専属モデルも務めています。
結木 俳優とモデルには共通するところもあって、見せ方や見え方を意識するという部分では繋がっているんですよね。もちろん違う部分もあって、モデルのお仕事をやっているときに、「やっぱり役者さんなんだね」と言われることも多いです。
――今後やってみたい役柄はありますか?
結木 サイコパスだったり、犯罪者だったり、自分とはかけ離れている役をやってみたいですね。現実では経験できない役を演じたときに、自分はどう思うんだろうかということにも興味があります。