シェアハウスのメンバーそれぞれのキャラクターを解説
――シェアハウスのメンバーそれぞれ、どんな印象だったのかお話いただけますか。まずは細田さんから。
古川 細田くんは当時19歳で一番若かったんですけど、一番大人ですね。周りが見えていて、礼儀も考えも一番しっかりしている印象です。修は真面目な役なんですけど、わりと役柄通りというか。この撮影中に、彼が20歳になったのでプレゼントを渡したんですが、自分もその2週間後に34歳になって。そしたら、その直前に細田くんが、「どういうお酒を飲めばいいんですか?」とお酒の質問をしてくるので、「20歳になったらこれがいいよ」「値段はこれが安いよ」と教えていたんです。ところが細田くんはお酒のことを聞きたいんじゃなくて、自分の好みのお酒を聞き出していたようで、誕生日プレゼントで買ってきてくれたんです。20歳になりたての子にそれができるって、しっかりしてるなと思いました。
――上村さんはいかがですか。
古川 奇人ですね。
――(笑)。どんなところがですか?
古川 お芝居はすごく上手いんですが、カットがかかった後に、いつも絶対に変な顔をするんです。自信がないのか、納得がいかないのか「え~」みたいな顔をして。誰に見せるでもなくて、本気でやっているんです。あと全部ネガティブに捉えるんです(笑)。たとえば「花きれいだね」と言ったら、「きれいですね」って普通返してくるところを「いや~、でも枯れますから」とか、そういう風に全部ネガティブに捉えるんです。
――丈役の本田剛文さんはどうですか。
古川 アイドル(BOYS AND MEN)をやっているのもあってか、挨拶がすごく爽やかなんです。普通は「おはようございます」しか言わないんですけど、「おはようございます。よろしくお願いします!」と、必ず丁寧に挨拶するんです。でも人見知りなところもあって、四人の中では自分に一番近いかもしれないです。
――最後はファン役の松大航也さん
古川 この中で一番、人見知りをしないですね。シェアハウスのメンバーとしては一番最後に入ってくるんですが、すでに四人の関係性ができあがっていたんです。自分だったらちょっとひるんじゃうと思うんですけど、松大くんは「ここにずっといました」みたいなテンションで、みんなが喋っている輪に「そうですよね~」と自然に入ってくる。自分は絶対にそんなことができないので、すごくコミュニケーション能力が高い子だなと思います。
――優斗に猫付きシェアハウスのオーナーを提案する不動産の社員・有美役を演じた長井短さんについても印象をお聞かせください。
古川 長井さんは天才です。芝居が上手すぎますね。6月から7月にかけて舞台『室温〜夜の音楽〜』を一緒にやったんですが、「ねこ物件」の撮影中にオファーがあって、長井さんが出ると聞いたので、「やりたいです!」と決めたくらいです。たとえば撮影初日に猫が来てびっくりするシーンを撮ったんですけど、「わ~!」しか言わないのに、その中にテクニックが5、6個隠れていて。言い方や動きなど、全てがテクニカルで引き出しが多い。役者の勘で、瞬時にこの人がいかに上手いかが分かることがあるんですが、まさにそれでした。彼女は嫌がると思うんですけど、“天才”と書いておいてください。
――共演の猫についてもお聞きします。カメラを向けられていることを全く気にせず、自然な立ち居振る舞いが随所に挟まれていますが、かなり狙って撮影したんですか?
古川 めちゃくちゃ狙ってます。1時間ぐらい狙うこともざらで、その間、自分たちは待ちです。狙った画が撮れない時は、それを一旦飛ばして、丸一日、猫だけの撮影日を作って撮りました。その日を “猫借金”と呼んでいました。