「俳優として目指すべき所」を感じた共演者
――ふせえりさんや岩松了さんなど、三木組常連の方も出演されており、成田さんにとっては俳優の先輩ですが、ご一緒していかがでしたか?
成田 ふせさんは、面白すぎましたね。一緒のシーンでは、普通に笑っちゃっていました。淡々とやっているように見えて、それが面白いっていう。「やってやる、笑わせてやる」みたいな感じではなく出来るってすごいです。独特の雰囲気を持って、本作の国木田というキャラクターは髪型も個性的なのですが、それがどんどん普通に見えてしまうのが不思議です。国木田という映画プロデューサーが本当に存在している様に感じられるのが、ふせさんのすごさというか、素晴らしかったです。
――最初は、個性的!と思いながらも、どんどん馴染んでくる不思議さがありますよね。
成田 岩松さんとは何度か作品はご一緒させていただいていますが、一度も同じシーンになったことがなくて、ちゃんとお会いしたことがないんですよ。昔、岩松さんの舞台を見に行った時に、楽屋にお邪魔して自己紹介をしたことがあります。そのくらい大好きな先輩なので、次こそは一緒のシーンを…と楽しみにしています。
――成田さんと六角精児さんは激しいシーンが多いですが、いかがでしたか?
成田 タキシードを着て自然の中を歩いている六角さんが面白すぎました。歩いているとか、立っている、それだけでも面白いんですよ。立っているだけで、六角さんが演じる南雲というキャラクターがどんな人がわかるというのがすごいなと。俳優として目指すべきところがあると感じました。
――立っているだけでキャラクターを表現する。すごいですね。
成田 三木さんの演出はコンテがあって、それを埋めていく作業なんです。現場で「ここもう一歩後ろに行ってほしいな」と言われて、疑問を感じつつも動くんですが、六角さんは「はい、分かりました」とさらっと言って、全てを成立させていく。監督に言われて、最初意図が分からなくても、僕は「とりあえずやってみよう」となるのですが、六角さんはそつなくこなしていくんですよね。カッコ良かったです。