初めて台本を読んだ時からワクワクした主演映画『この子は邪悪』

――南さんが主演を務める映画『この子は邪悪』は、展開の読めない謎解きサスペンスで、いびつな家族愛が描かれています。初めて脚本を読んだ時の印象をお聞かせください。

南 「次、どうなるんだろうな」と思いながら、ページをめくっていました。家族の関係性が前半と後半では全く印象が違います。前半は全体的に不穏な雰囲気というか、自分以外の家族は何か秘密を知っている中で、花は大西(流星)さん演じる幼馴染の純君と一緒に、その謎を解き明かそうとします。その結果、思わぬ展開となり、改めて家族を見詰め直すことに繋がるので面白いなと思いました。「これを芝居で表現するのか」というワクワクで現場に入るのが楽しみでした。

――役作りでどんなことを意識しましたか?

南 私の演じる花は、一家で交通事故に遭い、父は脚に障害が残り、母は植物状態、妹は顔に火傷を負ってしまいますが、自分だけが何事もなかったことで心に傷を負い、自分の中で抱えているものがある子です。なので、ふとした時の二面性を、どのように表現すればいいのか監督とお話ししました。

――一家が住む家の雰囲気がモダンで、どこか懐かしさを感じさせる一方で、不気味さも醸し出しているのが印象的でした。

南 撮影している時に、不気味さは感じなかったですが(笑)。和室にピアノがあって、花の部屋もかわいらしくて、すごく素敵だなと思いました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

南 すごく温かい雰囲気でリラックスしていました。映画で描かれている家族のように、ピリついた感じではなかったですね(笑)。

――父親役の玉木宏さんには、どんな印象を持たれましたか?

南 台本を読ませていただいた時に、「このお父さんを玉木さんが演じられると、どんな風になるんだろう」とずっとワクワクしていました。実際に玉木さんが演じている姿を見ると、狂気さが増して、よりリアルでした。完成した映像を見た時は、お父さんの怖さも感じつつ、憎めないと感じました。玉木さんはそういう二面性も表現されていたので、改めてさすがだなと思いました。

――ちなみに花の父親の心情は理解できましたか?

南 ある意味、純粋だなと思いますけど、さすがにあんなお父さんは個人的にちょっと嫌ですね(笑)。ただ、こういう家族の愛の形もあるんだなと思いました。

――大西流星さんの印象はいかがでしたか?

南 大西さんとは現場で話す時間が少なかったのですが、すごく真面目な方だなという印象です。本読みの時から、台本に書き込んでいましたし、現場でもしっかりと準備してくださっているのが伝わってきて、すごくやりやすかったですし、感謝しています。

――監督の演出はいかがでしたか?

南 シーンを撮影する前に、「このシーンの花ちゃんはこういう心情だよね」とか、「こう思ったよね」とか、細かく私に伝えてくださる方なので、すごくやりやすかったです。あと監督は可愛らしい方だなと思いました。

――可愛らしい方?どういう風にですか(笑)。

南 見た目から可愛らしい方だと思います(笑)。醸し出す雰囲気が柔らかいというか。

――完成した作品を観た印象を教えてください。

南 もちろん結末は知っているのに、改めて完成した作品を観るとドキドキしましたし、本当に不穏なシーンもあって、一観客として楽しんで観られました。

――ティーン読者に注目して欲しいポイントをお願いします。

南 私自身、台本を読ませていただいた時も、完成した映像を観た時も、予想外の展開でした。だから、ストーリーを予想したり、登場人物たちの気持ちを考えたりしながら観ると、すごく楽しいと思います。観る人によって受け取り方も違うと思いますので、ぜひ誰かと一緒に映画館に行っていただき、観終わった後に感想を言い合っていただけるとうれしいです。