橋本環奈は人間力がすごくて、底知れないパワーがあった

――最新監督作『バイオレンスアクション』はタイトル通り、全編に渡って凝りに凝ったアクションが展開します。ドラマを映画化した『劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』(19)、『極主夫道ザ・シネマ』(22)でも、アクション要素は満載でしたが、アクション映画への思い入れは強いのでしょうか?

瑠東東一郎(以下、瑠東) 相当アクション映画が好きなんですよね。香港のアクション映画も好きですし、ハリウッドのB級物も好きです。僕はコメディー作品が多いので、今回はめっちゃやりたかったアクションで、「燃えるな~!」というテンションでした。

――『バイオレンスアクション』の原作はコミックです。瑠東監督は過去にもコミックの実写化作品を数多く手がけていますが、今回はどんなことを意識して撮影に臨みましたか?

瑠東 どうしてもコミックと実写では差が生まれるじゃないですか。なので原作のキャラクターになりきるというよりも、俳優の魅力をキャラクターに落とし込んでいく作業を丁寧にするように心がけました。たとえば原作に書かれた「キャピキャピ」を実際にやったら嘘っぽい。でもテンションが高い時の(橋本)環奈ちゃんも、見方を変えればキャピキャピしているから、そこを汲んでいくようにしました。原作は絵なので、どうしても大きく表現されているけれど、その人自身を生っぽく作ることを、コミックの実写化では大事にしています。

――巨大なヤクザ組織の三代目組長(佐藤二朗)、野心家ヤクザの木下(高橋克典)、木下の部下・金子(森崎ウィン)、最狂の殺し屋みちたかくん(城田優)など、魅力的なキャラがたくさん登場するところも本作の大きな見所です。

瑠東 キャスティングはプロデューサーと話し合いながら決めていったのですが、テクニックだけではない、その人自身が持っているパワーみたいなものにかけたいという思いがありました。その結果、最高のメンバーに演じてもらえました。

――脚本が完成してからキャスティングされたのでしょうか?

瑠東 並行していました。ある程度のガワがあって、キャスティングもしつつ、キャラクターに合わせて書き直したりもしました。特に三代目組長は二朗さんにお願いしたかったので、出演が決まってから、かなり書き直しました。表面的にはセリフをおもしろで書いて芝居は本当に怖い役にしたかったので、そこは二朗さんと細かく作り上げました。

――橋本さん演じる菊野ケイは、普段は純粋で愛らしい女性ですが、実は凄腕の殺し屋で、冷酷に相手を殺していきます。全編に渡って凄まじいアクションが続きますが、橋本さんの演技はいかがでしたか?

瑠東 環奈ちゃんはすごかったですよ。身体能力もそうですが、兎に角人間力がすごいんです。これまでに出演した作品を観て分かることもありましたが、実際やってみないと分からないことも多くて。撮影に入ると、かわいらしいビジュアルに反して環奈ちゃんの持っているパワーは底知れないものがある。彼女自身が持つ魅力やパワーを役に落とし込み、ケイのキャラクターとして伝わる様に意識しました。