俳優になるきっかけとなった舞台 その魅力とは

――見上さんがティーンの時に一番打ち込んでいたことを教えてください。

見上 中高一貫校だったのですが、部活は高校1年生の途中までハンドボール部に、その後は演劇部に入ったりしていました。バンドは中学・高校を通して続けていました。

――バンド活動は長いんですね。はじめたきっかけは?

見上 特定のアーティストに憧れて始めたわけではなかったんですが、家族みんな、楽器経験があって。父もいまだに趣味でバンドをやっているんです。中学受験が終わった小学6年生の時に「ギター買いに行くぞ!」と父に言われて買いにいったんですが、「私ドラムやりたいんですけど…」という言葉は無視されました(笑)。

――もともとはドラム志望だったんですね。

見上 そうです。でも、今思えば「どこで練習するの?」という話なので、ギターで良かったなと思います。父も兄もギターで、母はベースとピアノ。ドラムがいないから、私がやろうかな、と思ったんです。

――今回、阿部さんがドラムに取り組んでいる姿を見て、触りたくなりませんでしたか?

見上 阿部さんは本当にドラム初心者だったそうです。「短期間でここまで叩けるようになるんだ!自分も頑張ったら叩けるようになるかも」とちょっと思ったので、いつかチャレンジしてみたいです。

――俳優のお仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。

見上 俳優のお仕事は、ずっと目指していたわけではなく、もともと観劇が好きで、舞台の裏方を目指していたところ、気づいたら役者になっていた、という感じです。舞台の表現にはずっと興味がありました。父と母ももともと観劇好きだったんですが、子育て期間はしばらく行けていなかったようで、私が中学生になってハマり始めた頃に「実は、私たちも舞台が好きなんだよ」と言われ、一緒に行くようになりました。

――どんなタイプのお芝居を観られるんですか?

見上 小劇場も行きますし、2.5次元も観ます。ミュージカルも、いわゆるストレートプレイ(※歌唱を含まない一般的な劇)も、本当に幅広く観ていますが、どちらかというと、ミュージカルよりもストレートプレイのほうが割合的に多いです。

――最近良かった舞台、気になっている演目を教えてください。

見上 「世界が笑う」という、演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんの新作です。KERAさんの作る世界観がすごく好きなので、今一番楽しみにしてます。作品によっては4時間半など、長いものもあるのですが、世界観が私にフィットしているからか、すっと見られてしまいます。

――見上さんにとって演劇の一番の魅力とは何でしょうか?

見上 よく言われることですが、“生物(なまもの)”であることが大きいんじゃないかなと思います。今回の映画でも生で皆さんの演奏を聞いた時の感動は唯一無二のものでした。もちろん映画でも感動するんですけど、ちょっと違った種類の感動で、人の息とか温度感を感じられるのが生の素敵なところかなと思います。

――ティーンにおすすめの劇団やカンパニーはありますか?

見上 私が高校時代に観ていたのは「マームとジプシー」さんとか野田秀樹さんの「NODA・MAP」です。東京芸術劇場って、作品によっては中高生は1,000円で観られるんですよ。大人料金は1万円を超える場合が多いので、映画と同じ、お小遣いの範囲でチケットが買えて、観に行けるのはすごくお得だと思います。学割の特権が使える時に、ぜひ活用していただきたいです。