身近で簡単なことを繰り返すと生活が潤う

――新著『あと10歳若くなる!DJ KOO流 心・体・脳(シン・タイ・ノウ)の整え方』は、KOOさんが日頃から実践しているルーティンを一冊にまとめたものです。具体的に本書におけるルーティン化とはどういうものでしょうか?

DJ KOO(以下KOO) 日常の生活の中で、楽しく笑顔になれるようなことをしましょうという、すごく身近なものです。よくパターンと言いますけれども、パターンとルーティンはちょっと違うんです。パターンは同じことを繰り返しているうちに、飽きてしまったり、やっているだけで終わってしまったりしますが、僕が考えるルーティンは、「これいいよね」という身近で簡単なことを繰り返すと、生活が潤うということです。

――たとえば、どんなルーティンを日常的に行っているのでしょうか。

KOO 基本的な「いただきます」「ごちそうさま」とか、「今日は、このおかずが美味しいね」と家族と美味しいものを見つけ合うとか。あとはウォーキングもルーティンにしています。でも、あえて毎日はやらないんです。「今日は暑いからウォーキングもはいいや」とやめてもいいし、そういうところも含めて細く長く続けながら、そこから発展していくことを見つけていければいいなと思っています。

――ルーティンを意識したのは、5年前に脳動脈瘤という大病を患われたことがきっかけだったそうですね。

KOO そうなんです。リハビリをしながら仕事に復帰できるかどうか分からないぐらいという状況だったけれども、家族と一緒に「たまねぎを食べると血液にいいんだね」とか「徹夜はしないようにしようね」とか、家族同士の目線でルーティンを積み重ねていくと、自然に体調的にも、心の持ちようにも余裕ができるようになりました。以前は、その場その場で考えていたようなことが、広い余裕の中で考えられるようになってきたので、無理のないところで目線を作りながら生活をしていくのっていいんだなと。僕の経験を知ってもらうことによって、みなさんのルーティンのきっかけになってくれればいいなという思いから本書を書くことにしました。

――ルーティンがきっかけで、ご家族との関係性に大きな変化はありましたか?

KOO 僕が病気をしたことで、家族に父親として一番見せたくない姿を見せてしまいました。でも、それによって「これから何があっても一緒にやっていこう」という目線を家族に向けられるようになり、その目線が娘のお友達や、奥さんのママ友にも、向けられるようになりました。家族の誕生日はもちろん、お友達のお食事会に何かプレゼントを一つ持って行こうとか、ちょっとしたことでも、相手に喜んでもらえることを見つけられるようになったと思います。

――本書を読むと、KOOさんと娘さんの距離感が近くて、理想的な親子の関係だと感じました。

KOO 娘は今、大学院生ですが、学生から社会人になる年頃は、不安や分からないことがたくさんあると思います。でも、いろいろな行事を一緒に祝っていると、娘からすると「いつも家族は自分のことをちゃんと見ていてくれている」という安心感と共有感につながります。そうすると、「何かあったら家族に言えばいいや」という気持ちで外に出ていけると思います。

――親が娘にプレゼントを買うのは難しいと思いますが、どうやって選んでいるんですか?

KOO 「今、何が好きなんだろう」とか、「友達とこういうところに遊びに行くのか」とか、娘の様子を観察しながら、奥さんと一緒に相談して、選ぶようにしています。女性同士はしょっちゅう色々な話をしています。「今、これが流行っているよね」「かわいいよね」という情報を奥さんから聞いているので、もらってうれしくない、必要のないものはあげてないはずです。

――娘さんの好きなものを知ることが、仕事に生きているなと感じることはありますか?

KOO 最近だと、SNSはモロにそうですよね。今はTikTokからヒット曲が出ているじゃないですか。僕もDJをやっているので、TikTokの勉強をし始めたんですが、やっぱり娘に聞くのが一番早かったですね。「今度大阪でDJするんだけど、今はどの曲がバズってる?どの曲がウケる?」と聞いたら、「これと、これで、でもこれはサビじゃなくてAメロしか使わないけどどうかな」とか細かく教えてくれる。若い世代には、そういう使われ方をしているんだみたいな情報がもらえるのは、すごくありがたいですね。

――DJ的な視点で見て、TikTokはどう捉えていますか?

KOO 実は今、クラブシーンの中でTikTok論争があるんですよ。関東では「TikTokで流行っているようなJ-POPは一切かけない」と言っているお店もありますが、逆に関西では「みんなが楽しめるんだったらJ-POPもTikTokもありだよ」と、意見が両極端だったりするんです。僕自身は、TikTokを色々と見たり、ダウンロードして曲を集めたりしていると、今の音楽の要素が30秒の中で詰め込まれているので、それだけ内容も面白いものになっていると感じるし、音楽性も面白いなと感じます。

――本書では「切り替えスイッチ」というキーワードも印象的でした。

KOO 計画を立てながら取り組むことも大事ですけど、「これは無理だわ」となったら、切り替えちゃって、完璧にしなくてもいいと思うんです。一回スイッチを切り替えて、肩の力を抜いて考えてみようとか、それでいいと思うんです。別に諦めたわけじゃないので、切り替えてまたスイッチを入れてもいい。入れっぱなしだとそればかりになっちゃうし、切り替えたほうが楽に物事を進められるし、同時進行で違うことも考えられるんです。

――KOOさんは昔から切り替えができましたか?

KOO バラエティー番組に出るようになってからですね。バラエティーもDJもTRFも、それぞれ集中する時に切り替えたマインドに持っていかないと、思い切りが悪くなっちゃうので、そういう時は「よし!DJモードで行こう」と切り替えるようにしています。