「R-17」への出演で役と自分が重なる瞬間を感じた | 水川あさみ 「いろんなことに傷つき、いろんな人の感情を知って成長していく」 Interview

「R-17」への出演で役と自分が重なる瞬間を感じた

――キャリアについてお伺いします。水川さんは中学生の頃から俳優のお仕事をされていますが、高校生の頃には、すでに俳優を一生のお仕事にしようと決めていらっしゃいましたか？

水川　もともと関西に住んでいたんですが、高校生の時に東京に出てきて。その頃はまだ、この仕事をずっと続けていくのか、ということは分かっていなかったです。知らなかった世界に足を踏み入れて、そこにいるのがすごく楽しい、そんなフワフワした感じでしたね。

――高校生で上京するというのも大きな決断ですね。

水川　生まれ育った関西とは真逆な印象はあったかな。友達も一新されるし、家族もいないけど、私の場合はわりとワクワクする気持ちのほうが勝っていたかもしれません。「楽しいから行ってみよう！」という興味がすごく大きかったです。

――高校生の頃は俳優を続けることに対して「フワフワしていた」という水川さんですが、それが明確になったきっかけはありましたか？

水川　私の場合は、きっかけがあったというより、積み重ねでしたね。高校を卒業して大学に行く子もいれば、仕事に専念する子もいて、特に芸能系の学校の場合はそこで大きく二つに分かれるんです。私にはその時、大学に行くという選択肢は全然なかった。今思えば、俳優業を続けることを自然とチョイスして進んでいたんです。わりと大人っぽい役を演じることが多かったこともあって、演技の面白さに惹かれて俳優業を続ける道を選んだという感じです。ただ、中谷美紀さん主演で、桃井かおりさんも出演されていた「R-17」（テレビ朝日系・2001年）というドラマに出演したことは、きっかけといえばきっかけだったのかもしれません。17歳の女の子たちが抱える問題を中谷さん演ずる森山芽美が解決していくというストーリーで、その時に初めて、役と自分が重なる瞬間というか「ああ、これかも」と思えた瞬間があったんです。それは「これだ」と掴めるものでもない。いまだにそう思うし、それが俳優の面白さでもあり、悔しさでもあったりするんですが。今思えば「もっと芝居に携わりたい、挑戦したことのない役を演じてみたい」という気持ちにつながっているのかもしれません。

――進路選択を控える読者にメッセージをお願いします。

水川　進路が見えているなら迷いなく、そこに突き進めばいいと思います。間違ってなんぼだし、不安がっても仕方ないから。法に触れたり、誰かに迷惑をかけたりすることでなければ、何をしてもいいと思います。いろんなことに傷つきながら、いろいろな人の感情を知って成長していくものだと思うし、違うなと思ったら、いくらでもやり直せます。やらないで後悔するよりやって後悔した方がいいのは間違いない。迷わないで飛び込んでほしいです。