人見知りだった自分がオープンに変わっていった時にできた曲たち

――9月28日にリリースする『Sean Oshima 2022』は初のEPとなりますが、1曲ずつ紹介をお願いします。まずは9月7日に先行配信された「今に夢中さ -Hooked on Now-」。

Sean 実は、この曲はとあるアーティストのコンペに応募した曲なんです。コンペは落ちちゃいましたが、その時も歌詞には嘘をつきたくないと思いました。それからかなり寝かしていたんですけど、改めて聴いた時に「なんか、いいなあ」と思い始めて、わりとそのまんまに、ちょっといい感じにして(笑)。ポンって作った曲です。

――2曲目の「悲しみばかりで時代は進むから… -Open Up The Door-」。

Sean 僕はもともとすごい人見知りで、1人でいる自分がかっこいい、という節があったんですけど、それはよくないなって思い始めた時期があったんです。そこから、意識して人とつるむようになり始めたら、すごく気が楽になって、楽しくなりました。そんな気持ちを曲にしました。

――3曲目の「ごっくん -Drink it Down !-」。

Sean これもメッセージとしては「悲しみばかりで時代は進むから… -Open Up The Door-」に共通しているんですが、僕はお酒が飲めるようになってからも、飲み会に行かなかったんです。馴れ合いっぽい雰囲気が好きじゃなかったんですよね。でも去年、1カ月くらい暇で何にもすることがない時期があって、「せっかくだから、これまで避けてきたことをしてみるか」と思って、その1ヶ月間、毎晩一日も休まず朝まで飲んでみたんです。その20日目後くらいにできた曲です。

――4曲目は、7月に先行配信した「ビジネスマン- Businessman-」。

Sean 自分は、年をとるほどストレスに弱くなってる気がしていて……。「好きじゃないことに時間を使いたくない。でも、生活はしなきゃいけない。どうしよう」となっていた時に作った曲です。話が繋がるかどうか分からないですけど、友人が働いている浜松町のレストランで海が見える夜景を見ながら、浜松町を行き交うサラリーマンを見ていたら、「こうはなりたくないよな」という気持ちになって。難しいけど、みんなもうちょっと自分勝手に生きてもいいし、そうなれるといいなと思って書いた曲です。

――5曲目の「⾍⻭ -Cavity-」。

Sean 最初のブロックは、「あ、売れねえや、俺」、2ブロック目は「でも俺、頑張ってる、クソ大学生には負けねえ」、で、3ブロック目「やっぱ俺、性格悪いな」。ワンブロックずつ解説していくとそんな感じになります(笑)。

――ラストを飾るのは「世間の歩き⽅ -The Guide to Life in Public-」。

Sean このEPに収録されている曲のテーマは全部一貫しています。人見知りだった時期の自分と、そこからもっとオープンに出来ればいいなと変わっていった時の間にできた曲たちで。そのなかでもこの曲が一番それを綺麗に表しているのかなと。たとえば、「くだらないと切り捨て吐いた 帰り道はひとりだった」という歌詞。飲み会の帰り道、実際にそう言ったわけじゃないですけど、なんかしょうもないなと思いつつ、帰り道が1人でやっぱ寂しいと思う自分もいるんだなって。何でみんなそんなに群れなきゃいけないのかというと、そうでもしないとやってられないようなこともあったりする。別にそれが嘘でも、演じているだけでもいいから、そういう時間があってもいいのかなという曲です。

――10月にはライブを控えていますが、最後に注目ポイントを教えてください。

Sean サポートメンバーはみんな楽器が上手いので、なるべく原曲とは違うアレンジにしています。ライブに来るファンの方には、シンプルにいい時間を過ごしてほしいですね。

Information

EP『Sean Oshima 2022』 
2022年9月28日リリース

01,今に夢中さ -Hooked on Now-
02,悲しみばかりで時代は進むから… -Open Up The Door- (Album Master)
03,ごっくん -Drink it Down !-
04,ビジネスマン -Businessman-
05,虫歯 -Cavity-
06,世間の歩き方 -The Guide to Life in Public- (Album Master)

Sean Oshima

アーティスト

1999年、⽇本⽣まれ。オーストラリア⼈の⽗と⽇本⼈の⺟を両親に持つ。⾼校時代から⾳楽活動を開始し、バンド活動を経て2021年よりソロ活動をスタート。⾃らが中心となって若⼿のミュージシャンたちと共に作るサウンドは⼤胆かつ緻密に組み上げられ、どこかシニカルな洋・邦混在の歌詞に乗せるメロディはそこはかとない歌謡曲のような懐かしさも併せ持つ。2022年1⽉度MTV 新⼈アーティストピックアップ! ☆2022年1⽉度M-ON! M-ON! Recommendに選出され、他アーティストへの楽曲提供など、活動は多岐にわたる。

Photographer:Takuro Miyazato,Interviewer:Takahiro Iguchi