高校時代は留学先で悔し涙を流した日々も。支えてくれた実業家・稲盛和夫の言葉

――キャリアについても伺えれば。中学時代、来日した海外のダンスチームの公演を観て、海外で活躍したいと思ったそうですね。

森 地元・静岡県に来た海外のバレエ団の公演を、母と一緒に観に行ったんです。幼少期からダンスを習っていたので、私も舞台へ立った経験はありましたが、当時見たダンサーの方々の圧倒的な表現力とオーラに感動を受けました。昔から、身長が高いのがコンプレックスではありましたけど、私と同じくらいの高身長の女性達が堂々と踊っている姿に一目惚れして、こじんまり踊ろうとしていた自分を見直すきっかけになりましたし、「自分の身長って生かせるんだ。もっと大きく踊ってもいいんだ」と気がつきました。

――高校時代はプロのダンサーになるためカナダへ留学されましたが、中学時代は留学に向けた努力もあったのかと。

森 英語は苦手科目でしたけど、海外でオーディションを受けるためには必須だと考えて、必死に勉強していました。順序としては、その後に留学を決めたんです。留学エージェントのパンフレットを自主的に集めて、お声がけのあったエージェントのもとで試験や面接を受けて留学しました。

――その後、カナダへ渡ってからはどのような日々を過ごしていたのでしょう?

森 現地ではホームステイをしていました。バレエ学校で悔しいことがあっても、ホームステイ先のファミリーに心配をかけたくなかったし、泣いている声を聞かれないように、枕に顔をうずめて泣いていた日もありましたね。周囲の子達と比べると「自分のレベルはまだまだ…」と劣等感も抱えていましたし。「早く追いつきたい」と頑張ってはいたものの、ダンスレッスンで左足を負傷してしまい、歩くのもやっとな状態が6ヶ月間も続き、絶望した時期もありました。当時、私を支えてくれてたのが、実業家・稲盛和夫さんの語録をまとめた学生向けの本『思いは必ず実現する―二十一世紀の子供たちへ』(財界研究所)でした。

――稲盛さんの本と出会ったきっかけは?

森 中学時代、お世話になった体育の先生からいただいたんです。海外留学を考える私に「海外が楽しみという気持ちだけでやっていけるのか」「真剣に苦労する気があるのか」と厳しい言葉をかけてくれた先生でしたが、留学が決まってから「この本を読みなさい」と差し出してくださいました。留学中に泣くような出来事があっても、先生からいただいた本に励まされて。稲盛さんの言葉はどれも心に残っていますが、「尺取虫のように頑張りなさい」という言葉には特に感銘を受けて、何度も読み返しては自分を奮い立たせていました。