コロナ禍をきっかけに仕事に対する思いを再認識できた

――ターニングポイントを作るきっかけになった人との出会いはありますか?

田中 10代から仕事を始めてから、わりとずっと走っている状態だったのが、コロナ禍の影響で急に休みが増えて「本当にしたい仕事は何だろう?」と、ちょっと悩んだ時期がありました。でも、「私が好きな仕事は、表現する芸能のお仕事だ」と再確認することができたので、ターニングポイントになったのは、コロナ禍ですね。今回の映画は、その時期に決まったので、より前向きな気持ちで臨めました。

――コロナ禍がきっかけで、ご自身のキャリアを振り返られたのですね。

田中 それまでは、友達と遊んで仕事をして、たまに地元に帰るというサイクルが出来上がっていたので、振り返る隙がなかったんです。

――撮影中に印象に残っているエピソードはありますか?

田中 何度もリハーサルを重ねていたので、お芝居自体はスムーズだったんですが、現場で「光が眩しくて目が開かない!」というアクシデントに遭遇したことがありました。でも、試写を見たらしっかり目が開いていたので、良かったです(笑)。

――改めて、映画の注目ポイントを教えてください。

田中 みつほは口数が少ないので表情の動きに注目していただきたいです。コメディーや、SFの要素もあるので、そういうところも楽しんでいただける映画だと思います。

――田中さんは早い時期からモデルの仕事をされていますが、モデルを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

田中 小さい頃から小児喘息が酷くて、小学生、中学生の冬は入院することが多く、学校に行ったり、部活をしたり、普通の学生の生活ができなかったんです。「普通の事ができないなら、普通じゃないことをしたい」と思った時に思いついたのが芸能のお仕事でした。それからブログを始めたら、それがきっかけで今の会社の社長にスカウトされました。運良く事務所に入ることができ、ファッションモデルの仕事を始めることになったんです。少しずつお芝居にも挑戦して、ドラマにも出られるようになりました。

――当時に憧れていたモデルさんはいますか?

田中 モデルで憧れていた方というより、母の影響で安室奈美恵さんが大好きでした。女性として素敵だし、かっこいいし、生き方はもちろん、ファッションも曲も大好きです。安室さんみたいに、表現することで夢や希望を伝えることができる存在になりたいと思ったことも、この仕事を始めたきっかけの一つです。だから、憧れの人は安室さんです!

――最近にティーンファッション誌に登場されたのはいつですか?

田中 中学生の時でした。

――当時、進路についてはどう考えていましたか?

田中 すっごく迷っていました。この仕事を続けることへの迷いはなかったですが、一つの雑誌の色に染まっていた分、その雑誌から卒業した時に「自分には何もない」って思っちゃったんです。「自分の魅力って何だろう」と立ち返った時に、「もっとファッションを勉強したい」と考えるようになりました。髪も明るくて、カラコンもしていて、どちらかというとギャルっぽいイメージだったのを一新して、髪を切って、髪色を暗くして、カラコンもやめました。「どうすれば、田中芽衣として生きていけるか」と、自分でファッションの路線を考え始めた時期でした。

――自分の足りない部分について悩まれていたのですね。

田中 そうです。「この雑誌の芽衣ちゃん」というイメージが強かったので、その雑誌から卒業した時は、いっぱいいるアイドルグループの中で、急に独り立ちしてしまったみたいな感覚になりました。不安や迷いはありましたが、みつほと同じように「絶対にここにいたい」っていう気合で乗り切りました。今も、諦めずになんやかんやでいます(笑)。