アフレコの途中からはいろんなことを試してみようと、挑戦する気持ちになった
――10月28日公開の映画『カメの甲羅はあばら骨』に声優として出演されますが、オファーを聞いた時はどんなお気持ちでしたか?
四谷真佑(以下、四谷) もちろんうれしかったのですが、声だけのお芝居は今までしたことがなくて、声優のお仕事をしている方から難しさは聞いていたので、「うまくできるかな」という不安も大きかったです。
栗田航兵(以下、栗田) 僕は正直、うれしいとか不安よりも先に「なんで俺や!」って思いました(笑)。僕は演技の経験も知識もないですし、もちろん声優の経験もないから、全く予想していなかった。いきなり「四谷と栗田、声優に決まりました」って言われて「嘘だ!」ってなったんです。でも、監督さんと顔を合わせて、自分が演じるキャラを説明していただいているうちに自分に合っているキャラクターだなとすごく感じました。現場に入ってからは難しいこともありましたけど、初めての経験だったので、ワクワクが大きかったです。
――栗田さんはワニ渕ワニ平、四谷さんはワシ崎ワシ也を演じられていますが、自分と似ているなと感じるところはありましたか?
四谷 顔くらいです(笑)。強いて言えば、ワシ崎は自信家でナルシストという部分があって、僕はそんなことはないんですが、たまにワニ渕を援護射撃するような、自分からは率先して言わないけど、後ろからホイホイ言うようなことはたまにあるかな。学生時代もクラスの真ん中になるようなタイプではなかったので、全体を通して自分と真逆だという印象です。

栗田 僕はすごく似ている部分が多いと思いました。声が大きくて、声量で場を制圧するころとか。お調子者という点は、自分の学生時代もそうでしたし、今もそんな感じなので、当てはまるのかなと。セリフを読んだ時に、自分と違うなって思ったのは傲慢さとか、ちょっと攻撃的なところ。でも、内に秘めたるマインドは僕と一緒の匂いがします。気持ちの面ではすごく似ている部分があったので演じやすかったです。
――物語の世界観も独特ですが、脚本を読んだ印象はいかがでしたか?
栗田 タイトルを聞いた時、もっと動物っぽいというか、野生動物の世界の話になるのかなと勝手に想像していたんですけど、台詞を見たら学園もののストーリーで、「そこを突いてくるのか」という感じがあったんです。「動物園とかアマゾンとかじゃなくて、普通の高校での青春物語」というのがすごく面白いなと。初めて観た時、そのギャップが癖になるというか。

――確かに「あの原作からこうくるか」という驚きはありました。お二人とも声優初挑戦ということですが、アフレコ現場はどんな雰囲気でしたか?
四谷 初めてなので分からないこともたくさんありましたが、現場の空気感がすごく温かくて、監督さんやスタッフの方、皆さんが「すごくいいね」と言ってくださるので、緊張や不安もほぐれました。そういう環境だったので、アフレコの途中からはいろんなことを試してみようと、挑戦する気持ちにもなりました。いろいろ挑戦できる環境だったので、自分自身のレベルアップにもつながりましたし、声優の楽しさや奥深さを知ることができたので、またチャレンジしたいです。