“似ているけれど違う部分”にお互いが惹かれ合っている

――お二人の出会いをお聞かせください。

NakamuraEmi(以下、Nakamura)たまたまでしたね。私は勝手に作った“ツーマンしてみたい人ランキング”に、大好きなさくらちゃんの名前を入れていて (笑)、無理かなと諦めていた直後に偶然会うことができたので「いつか一緒にライブがしたい」と声をかけたんです。その後に「UMEDA CLUB QUATTRO 10th Anniversary “QUATTRO EXPRESS”דQUATTRO MIRAGE” NakamuraEmi × 藤原さくら」(※2022年4月10日開催)のライブが決まりました。

NakamuraEmi

――藤原さんのどこに惹かれたのでしょうか?

Nakamura 私は以前自動車メーカーのエンジン開発部で働いていたことがあるので、さくらちゃんがドラマ「ラヴソング」(フジテレビ系)で、自動車整備士を演じている姿に自分を重ねたりしていました。お互いデビューした年も近いし、リンクする部分がたくさんあったから「いつかご一緒したいな」と思っていました。

藤原さくら(以下、藤原) 私も元々Emiさんの曲を聴いていました。お互いデビューも近くて、共通の知り合いも多かったのですが、意外とご一緒する機会がなくて。ツーマンのライブが決まって、まさかコラボ曲をリリースまでできるとは思っていなかったです!

藤原さくら

――音楽性で共通していると感じる部分はありますか?

藤原 好きな音楽は近いけど、発表の仕方や音楽のスタイルは違うから、似てるけど近すぎないんですよね。だから、Emiさんのラップやライブパフォーマンスにはすごく刺激を受けます。

Nakamura 初めてラジオでさくらちゃんの曲を聴いた時、ものすごく深みを感じました。でも、実際のライブではナチュラルで、リラックスしてる。音楽が生活の一部なんだと感じたし、その辺は私と違うから、お互い違う部分で惹かれ合っているのかも。

――お互いの曲で印象に残っている曲は?

藤原 「笑ゥせぇるすまんNEW」のオープニング曲「Don’t」です。Emiさんの曲は、自分のことを歌ってもらっているような気持ちになって、泣けてくるんですよ。リハでのライブを一緒に観ていた、キーボーディストのけいこりん(Keiko/大嵜慶子)は「スケボーマン」を聴いて号泣していました。

Nakamura うれしい……。さくらちゃんの曲は、英語の歌詞も多いし、アルバムもすごくかっこいい。私にはできない部分がたくさんあります。ライブも、私はグーッて行くタイプだけど、さくらちゃんはフラットな状態でサラっと歌うんです。特に「mother」はいつの間にか惹きこまれて涙が出ちゃう。

――前述のツーマンライブで「The Moon × 星なんて言わず」を披露しましたが、Nakamuraさんから、お互いの曲のマッシュアップの提案をされたそうですね?

Nakamura 何と言っても念願のさくらちゃんとのツーマンだし、「カバーするより、一緒に演奏したい!」と。さくらちゃんの「The Moon」と私の「星なんて言わず」のマッシュアップを提案しました。

藤原 打合せしてから1カ月も経たないうちに、Emiさんからデモが送られてきて、それを聴いて「それぞれの場所でそれぞれの想いで作った全く違う曲なのに、こんな風に一つになれるんだ!」と。その時の感動は今でも忘れられません。

Nakamura 「The Moon」は何度も聴きたくなるし、他の曲とは違う魅力が詰まっているから「これしかない!」とデモを作っちゃいました。

――歌詞の配分はNakamuraさんが決められたそうですが、別の曲を並べたとは思えないくらい自然な仕上がりですね。

藤原 2つの曲が重なり合う箇所がすごくぴったり合って気持ちいいんです。もともと一つの曲だったかのようなフィット感。さすがだなと脱帽しました。

――原曲はそれぞれどんな気持ちで書かれたのですか?

Nakamura 「星なんて言わず」は、年齢を重ねると出会いもあるけど、別れもある。二度と会えなくなってしまうことも増えていくし、残された者は生きていかなくちゃいけないという現実もある。いつかそういう時がやってきた時に前を向けるようにと書いた曲です。

藤原 「The Moon」は『コードギアス』(※劇場版第2部『コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道』)というアニメ映画の主題歌として書いた曲です。誰かを愛することで、時には間違いながらも、自分の正義を貫きながら生きていくという、まさに“生と死”をテーマに描いた作品で、私の曲の中ではかなり壮大なテーマです。今までにないコンセプトの曲だったからEmiさんもその違いを感じてくれたのかも。

Nakamura 同じ“生と死”というコンセプトだし、月と星というテーマで、ビックリだよね。