キャリア甲子園2020の覇者〝ぐーふぉ〟にインタビュー

キャリア甲子園は、企業・団体が出題する課題に対して、高校生がチームを組んで課題解決に挑むビジネスコンテスト型アクティブラーニングプログラム。第7回目の開催となる2020年度のテーマは「Breakthrough」。混沌とした社会を一点突破するような高校生の力を発揮する場として、2020年7月から予選がスタートした。

決勝大会に残ったのは19人、6チーム。半年以上かけて考え抜いたアイディアを1チーム10分以内で披露した。

優勝したチーム「ぐーふぉ」が選んだ課題は、東京電力の「安心して快適に暮らせる災害に強いまちづくりを目指し、自由な発想で新たなサービスを提案せよ」というテーマ。高校2年生の妻鹿(めが)さんと中島(なかしま)さん、高校1年生の大森さんの3人編成で大会に挑み、説得力のある構成とプレゼン能力の高さで大会を制した。

ぐーふぉが通う渋谷教育学園渋谷高等学校は、キャリア甲子園の初年度大会となる2014年にも決勝大会に進出。同校にとって2回目の決勝大会で、見事にぐーふぉは初優勝を果たした。

――ぐーふぉはリーダーの妻鹿さんがキャリア甲子園のためにメンバー募集を行い、昨年7月に結成したそうですが、妻鹿さんから見て、大森さんと中島さんはどんなメンバーですか?

妻鹿 大森は話の理解が速くて、論理構成能力が高い。感情的にならず、きちんと理論を立てて話をします。物事を俯瞰して見ていて、自分とは違う意見があっても冷静な判断ができます。それでいて元気もあって、ムードメーカー的な役割も果たしてくれて頼りにしていました。

大森 もともと私は物事の因果関係や、何が問題なのかを分析するのが大好きで。それでぐーふぉに入ったというのもあるんですけど、とことん納得いくまでリサーチしたいタイプです。その反面、一つの課題が終わるまで、なかなか次の作業に進めなくて、腰の重い部分があります。何が良いか悪いかは、すぐに分かるほうですが、決断力に欠ける部分もあるので、意思の確定は妻鹿先輩に助けられました。

妻鹿 中島は大森と全く違うタイプで、わりと直感的な物の考え方をします。僕と大森はタイプが似ていますが、二人で考えると机上の空論になりがちです。そんなときに中島が、ちゃんと人に伝えるためにはどうすればいいのかをチェックしてくれたので、非常にバランスが取れていたと思います。

中島 二人は文章がめちゃくちゃ上手くて、大まかなプレゼンの構成を作ってくれました。私はそのプレゼンを見て、「これって伝わらないんじゃない?」とか、「それを聞いたところで、あんまり買いたいとは思わないかも」とか、第三者に近い目線で意見を言う役割でした。二人はどんな意見であろうと耳を傾けてくれるので、そこにも助けられました。

▲キャリア甲子園2020 優勝 “ぐーふぉ”の3人。左から大森さん、中島(なかしま)さん、妻鹿(めが)さん

――大森さんだけ後輩ですが、大森さんから見て二人はどんな先輩でしたか?

大森 まず年下の自分を誘ってくれて、きちんと仕事を任せてくれる時点で、すごく優しい先輩でした。キャリア甲子園のような大きいイベントに出るとき、普通は同学年で集まるので、違う学年のメンバーを入れるってすごく珍しいことです。決勝大会に向けて意見が衝突することもありましたが、熱量があるからこそ、本気で後輩の私にもぶつかってくれたんだなと思います。

――決勝でのぐーふぉを見させていただいて、プレゼンの構成力も素晴らしかったですが、プレゼン後の質疑応答で審査員から鋭い質問をされても、動じることなく論理的な答えを出していたのが印象的でした。

大森 準決勝の質疑応答は妻鹿先輩が全部やってくれていて、決勝も任せて大丈夫だなと思っていました。ただ質疑応答は2問までと決まっていたので、妻鹿先輩の言い足りなかった部分があったら補足しようと考えながらやりました。

――今年、キャリア甲子園に挑戦しようと考えている高校生に向けて、キャリア甲子園に出て良かったことを教えてください。

妻鹿 キャリア甲子園は勝ち負けがはっきりしているので、どうすれば勝てるのか、どうやったら自分たちが輝けるのかという考えを深められたのが刺激的な経験でした。たとえばスポーツをやっている人だったら、野球やサッカーでそういう経験をしているのかもしれないですけど、自分にとってはキャリア甲子園がそういう場でした。

中島 キャリア甲子園のプレゼンを考えるにあたって、アンケートを取ったり、企業に取材をしたり、先生たちの意見を聞いたりして。チームの中で意見を交わすのも大切ですけど、外部の声を聞くことで新たな問題意識も見つかったのは新鮮でした。

大森 書類審査、プレゼン動画審査、準決勝と選考ごとに、今までのプランに満足しないで、もっと良いものを探す作業は過酷でした。わりと私は「頑張って考えたからいいんじゃない?」と思っちゃうほうですが、それだと次に進めないというのがキャリア甲子園を通じて気づいて。すごく苦労して作り上げたものでも、もっと良いものがあると信じて細かいところまで突き進めて考え、多くの人が納得の行く形に仕上げる経験は大事だなと学ぶことができました。