キャリア甲子園の運営責任者鈴木麻友さんに直撃
――キャリア甲子園の意義をどういうところに感じますか?
鈴木 キャリア甲子園の最終目標は総合優勝で、たった一つの勝ちを目指して、みんなで頑張っていくところに価値があると思います。近年は勝ち負けを決めず、かけっこだったら手を繋いでゴールをしたり、みんなで頑張ったことを大切にしたりという価値観があります。そんな風潮の中で、高校生にシビアな勝負の場を提供するという理念を大切にしています。めちゃくちゃ悔しいとか、めちゃくちゃ嬉しいという経験は、人を大きくさせるので、意義のある大会だなと思っています。
――ぐーふぉの妻鹿さんも、勝ち負けがはっきりしているのが刺激的だとおっしゃっていました。2020年度はコロナ禍の影響で、例年のような有観客でのイベントができない状況の中、過去最高のエントリー数となりました。
鈴木 コロナ禍で高校の行事が次々になくなっていく中、高校の先生方から、なるだけコロナ禍の影響を受けずに、高校生が何かに打ち込む機会を探されているという声を聞きました。そこで「キャリア甲子園というものがあるらしい」と広く知ってもらえたんです。協賛企業さんから課題をいただいて、生徒同士がチームで取り組む大会なので、同じ場所に居合わせなくても、オンラインを駆使しながらできる部分もたくさんあります。そういうところを評価いただいて、応募がすごく増えたという状況がありました。
――2020年度は準決勝もオンラインで行われました。
鈴木 例年でしたら準決勝大会はオフラインでやっていました。準決勝に残った約200人の生徒が一堂に会して、企業ごとのプレゼンテーションを企業さんの前で直接やっていたんです。しかし、コロナ禍の影響でZoomを使ってプレゼンテーションをやるとなったときに、高校生はオフラインの機会を楽しみにしていて、がっかりしているんじゃないかと思っていました。ところが参加チームを集めて、正常にZoomが使えるかをテストする事前リハーサルをやったときに、どのチームもZoomならではのプレゼンの見え方や演出を試行錯誤して、工夫して挑んでくれたんです。がっかりしていたと思っていたのは私たち大人だけで、高校生がオンラインを駆使して前のめりに参加してくれていたのは、ある種の気づきでしたし、2020年度ならではの貴重な経験でした。
――2020年度で7年目を迎えたキャリア甲子園ですが、今回審査員を務めた下山明彦さん(Senjin holdings CEO)は初年度大会のファイナリストだったそうですね。
鈴木 そうなんです。下山さんは東京大学在学中に事業を立ち上げて、それを6億円で売却して話題になりましたが、キャリア甲子園は未来の日本を担ってくれる人材を輩出する大会になりつつあるのかなと思うと感慨深いです。
――ビジネスのことを高校時代に深く考える機会なんて滅多にないですし、それが将来にも活きてくるんでしょうね。
鈴木 そういう声は高校生からもいただいています。大会中に企業さんからフィードバックをもらえて、自分たちの良いところや課題点も見えてくるので、そういう経験ができるのも貴重だと思います。

――「キャリア甲子園2021」の開催も決まっているんですよね。
鈴木 はい。今回の大会テーマは「Re:Creation」で、7月1日(木)からプレエントリーが始まり、9月1日(水)に全テーマ公開、書類提出の締切が11月29日(月)になります。
――改めてエントリーを考えている高校生読者に向けて、これまでのお話とは違う視点でキャリア甲子園の面白さを伝えていただけますか。
鈴木 大会のスケールが大きな醍醐味だと思います。2000チームの中から勝ち上がっていく経験。決勝大会は生配信で5万人以上が視聴する中でプレゼンテーションを披露し、総合優勝チームには100万円分の海外ツアー(※)と、本気で挑むことで、非日常を味わえるのではないでしょうか。(※昨今の情勢を鑑みて、2020年度大会は100万円分の無期限海外旅行券を贈呈)
――大会前に事前イベントもあるんですよね?
鈴木 「攻略イベント」というのがあって、フレームワークを学んだり、過去のファイナリストから思考方法をレクチャーしてもらったりなどのイベントを夏に予定しています。もちろん任意の参加なんですけど、ぐーふぉも昨年参加していたそうです。こうしたイベントがオフライン、オンラインで行われるかは状況を見ながらになるのですが、自分の力を高めることができる大会なので、どんどん参加してほしいですね。
Information
キャリア甲子園2021
大会テーマ「Re:Creation」
プレエントリー開始:2021年7月1日(木)
書類提出締切:2021年11月29日(月)
応募資格:
・決勝大会日時点で、高等学校(※高等専門学校等含む)に在学中の方。
・準決勝大会と決勝大会(2022年2月13日(日)、3月13日(日))に参加可能な方。
・キャリア甲子園出場資格に関わる書類審査用課題を提出できる方。
※高等専門学校は1-3年生が対象、高等専修学校学校も参加可。
キャリア甲子園2020
株式会社マイナビが主催する日本最大級の高校生ビジネスコンテスト。2014年から毎年開催、2020年で7回目を迎えた。コロナ禍で開催されたキャリア甲子園2020では過去最多6870名、2009チームが参加。主催:株式会社マイナビ 未来応援事業本部 学生の窓口事業部 制作・運営:株式会社Strobolights
Interviewer:Takahiro Iguchi