頭脳で渡り歩いているところがカッコいいなと思います
――本作で花澤さんが担当するヒルデガルド・フォン・マリーンドルフという役柄について、どんなところに気をつけて演じていますか?
花澤香菜(以下、花澤) ラインハルト(ラインハルト・フォン・ローエングラム)と喋ることが主なシーンになるのですが、すごく緊張感があります。私たちが生きる「銀河帝国」は、空気がめちゃくちゃ張りつめているんです。「自由惑星同盟」のヤン(ヤン・ウェンリー)たちのシーンと「銀河帝国」のシーンを見比べていただけると、それがよくわかると思います。そういう空気の中でヒルダ(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ)が意見を求められるんですよね。その緊張感の中で、押しつけがましくなく、でも「自分はこう思っている」というしっかりとした意見を伝えることを意識しています。
――おっしゃる通り、ヒルダの意見に助けられることが多いですよね。
花澤 そういうシーンばかりなので、ピリついた雰囲気を想像しながら宮野(真守)さんとお芝居を作っています。『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』は、割と彼女のモノローグ部分が出てきたりして、彼女の本心も見えるので、そことのギャップというか、バランスを考えながら演じています。おそらく、まだこの先にも、(ヒルダのことを)知ることが出来るタイミングはたくさんあると思います。ただ、前のシリーズよりは、ラインハルトとの心の距離感が近づいていると感じました。
――聡明で、凛としたキャラクターですが、花澤さんはヒルダにどんな魅力を感じていますか?
花澤 やわらかい雰囲気で、思いやりもあってすごくいい子だけど、その中に芯の強さというか、自分の中の正義を持っていますよね。物怖じせず意見を言えて、ちゃんと頭脳で渡り歩いている感じがカッコいいなって思います。
――過去のインタビューで、本シリーズを手掛ける多田監督が「ヒロイン役ではない役も演じられるようになった今の花澤さんに、ヒルダ役をお願いしたかった」っておっしゃっていました。
花澤 本当にありがたいです。多田さんとご一緒していた時は、20代前半とかそのぐらいだと思うんですけど、その頃に比べると自信もついたし、自分の経験値に比例して色々なことが出来るようになっていっているかなと思います。それこそ、10代、20代だったらヒルダは絶対に出来なかったと。今でも難しいですもん(笑)。ここからの展開も楽しみですが、それ以上にヒルダ役のお芝居を頑張ろうと思っています。
――難しい役柄は燃えますか?
花澤 燃えますね。もともと私は「石橋を叩いて渡る」というか、たくさん準備をして挑むタイプなので、不安にもなったりするんですけど。でも難しい役を演じる時の楽しさは替えがたいです。『銀河英雄伝説』は本当にベテランの方ばかりが集結しているので、その人達に引き上げていただく部分もたくさんあります。携われていることに、とてもワクワクします。