オール福岡ロケの本作「心温まる場所」
――脚本を読んだ印象はいかがでしたか?
矢吹奈子(以下、矢吹) HKT48でオーディションをして、この役に選んでいただきました。私が演じた大原零というキャラクターは、トップアイドルで劇中劇の主演を務めるというものだったので、「どういう作品になるんだろう」とドキドキワクワクしていました。実際に台本をいただいて読んだら、本当にすごく心温まる作品だと感じました。大原零と、劇中劇の中での役、2役を演じることもすごく楽しみでした。
――番心温まった部分というのは、どんなところですか?
矢吹 お父さんが「行ってこい」と息子を送り出すシーンです。息子のことを考えてずっと悩んでいたけど、信じて送り出すというところに感動しました。
――お父さん側に感情移入されたのですね。
矢吹 結婚式でもそうなんですけど、つい親側の気持ちになっちゃいます(笑)。

――運上さんはいかがですか?
運上弘菜(以下、運上) 私は香蘭という中国から来た花嫁の役です。もともと奈子さんと同じ役でオーディションを受けていたので、お話をいただいた時はまさかの中国人の役で、「大丈夫かな」と不安な気持ちもありました。原作では北海道のお話で、私は北海道出身なので、過疎化した町というのもそうですが、雰囲気がすごく地元に似ていて、本を読んだ時に地元を思い出してちょっとホッとする部分も多くありました。
――福岡県大牟田市でロケをしていますね。HKT48のお二人としては、なじみ深い場所もあったのかなと思いますが、いかがですか?
矢吹 私は初めて行きました。のどかな感じで、学生の方が帰り道に「撮影している!」って声をかけてくださったり。そういう雰囲気に温かさを感じました。
運上 大牟田市文化会館でコンサートを開催したことがありますが、実際に外に出て街を見たりしたことはなかったので、撮影が楽しみでした。本当にのどかな感じでした。福岡は博多以外にあまり行ったことがなかったので、街を見てホッとしたし、奈子さんも言っていましたが、地元の方はすごく温かい雰囲気があって。撮影は冬でしたが、心も温まりました。
――役作りで特に意識した点を教えてください。
矢吹 私は国民的アイドルという役柄だったので、アイドルという面では共通している部分がありました。なのであえて役作りしようという気持ちはなかったんですが、劇中劇の映像を撮る時はアイドルらしさを残しつつ演じることを意識しました。
――零はちょっと裏表のある女の子ですよね。
矢吹 本当の私とはかけ離れていますので (笑)! でも、映像で観た時に、「本当にそんな人なのかな」って思われるのなら、それはそれでうれしいです。裏表がある役だけに、セリフにもきつい言葉がありますが、あまり自分になじみがなかったから、慣れるまではちょっと時間がかかりました。あとは間で入ってくるコメディーの部分でクスッって笑ってもらいたいなと思って演技していました。
――運上さんは中国人の役でした。
運上 元々セリフがない役の予定だったのですが、監督のお気遣いでセリフをいただきました。前の日まで「ニーハオって挨拶して」と言われていたので、ずっと発音を携帯で調べて聞いていたのですが、当日になって「片言の日本語で挨拶して」と変更になり、心配しながらも演じさせていただきました。花嫁役で、中国風のチャイナドレスっぽい衣装を用意していただいて、本当に初めての体験ばかりです。結婚式のシーンもあるので、ファンの方はどう見てくれるんだろうってちょっと気になっています。

――運上さんは本作が映画初出演ですものね。
運上 すごく緊張していました。自分の演技というよりは奈子さんが演じているシーンを見に行ったり、いつも画面を通して見ている俳優さんの演技を間近にして「すごいな」と圧倒されることのほうが多かったです。私も奈子さんみたいに、演技を勉強してみたいなって思いました。
矢吹 現場ではあんまり一緒にならなかったので、ゆっくり話せなかったけど、始まる前に会った時に「すごい緊張する」とずっと言っていました。でも私も緊張していたので、「一緒に頑張ろう」って。
――現場でアドバイスはされましたか?
矢吹 披露宴で踊るシーンなどもすごく心配そうにしていたので「いつもやってることだから大丈夫だよ」と喝を入れました(笑)。
――そんな運上さんに今アドバイスを送るとしたら?
矢吹 えー!なんだろう。自信を持つことかな。普段から何に対しても不安というか、心配事が多いイメージなので。なっぴ(運上さん)が思っている以上に出来ているし、そんなに心配しないでもっと自信満々でいてほしいなと思います。
運上 ありがとうございます。すごくうれしいです!