映画『渇き。』の出演で役者としての覚悟ができた

――キャリアについてお伺いします。この世界に入ったきっかけを教えてください。

清水 僕が小学1年生の時に、4個上の兄がスカウトをきっかけに役者を始めたんです。小学6年生の時、兄が出演した映画の初号試写を母親と一緒に観に行ったら、当時の兄のマネージャーさんに「弟くんもやらないか?」と声をかけられたんです。でも、僕は「いや、大丈夫です」と断ったんですよ。

――どうしてですか?

清水 兄を見ていると、朝早くて夜遅く帰ってくる日もあったし、悔しい思いをして帰ってくることもあったし。大変な仕事だなと間近で見ていて思っていたんですよね。

――芸能活動をしているお兄さんに対して羨ましい気持ちはなかったんですか?

清水 そういう気持ちは一切なくて、頑張っている兄を素直に応援していました。ただ断っているのに、そのマネージャーさんが何度も声をかけてくれて。「一回でいいから事務所のレッスンに来ないか?」と言うので、「やる気もないですし、行きません」と答えたら、「君が来るか、僕が迎えに行くかのどちらかだ」と一方的に言われて(笑)。じゃあ行くしかないなということで、しぶしぶ行ったんです。

――根負けしたんですね(笑)。

清水 そのレッスンは兄も参加していたんですが、すでにお仕事をされている先輩が10人ぐらいいて。見学だけだと思っていたのに、その中に入ってセリフ原稿を2枚ぐらい渡されて、「10分で覚えて」と言われました。もう郷に入れば郷に従えで、言われたことをやるしかない。ここまで来たら逃げる訳にいかないから、「じゃあ覚えます」とセリフを覚えたら、次に「じゃあ前に出てやってみて」と(笑)。それで兄も見ている中、先輩の女優さんと一緒にお芝居をしたんですけど、自分よりも経験豊富な人たちの前で演じる恥ずかしさはありつつも、すごく楽しかったんです。そのお芝居を、マネージャーさんに褒めてもらって、最後の一押しで「やらないか?」と。ちょうど小学校から中学校に上がるタイミングでしたし、一生の仕事を決めるタイミングでもないから、駄目なら辞めればいいじゃないかというぐらいの気持ちで事務所に所属しました。

――レッスンを見学するまでは、たとえば学芸会などでのお芝居経験はなかったんですか?

清水 小学5年生の時に、人生で初めてお芝居をしました。小学校でプチ文化祭みたいな行事があって、クラス全員で映画を作ることになったんです。その時に当時の担任の先生が、僕を4人いるメインキャストの一人に抜擢したんですよ。それが初めてのお芝居経験でしたが、別に「お芝居楽しい!将来もやりたい!」とは思わなかったです。

――事務所に入って、すぐにお仕事は入ったんですか?

清水 初めてのオーディションで、ありがたいことに連ドラのレギュラーをいただきました。長澤まさみさん主演の「高校入試」というドラマだったんですが、その時に高杉真宙と共演して。彼は芸能界で最初にできた友達なんですが、3つ年上なのに、すぐに仲良くなって。お兄ちゃんのような存在で、休憩中におしゃべりをしたり、控室で一緒にご飯を食べたり、その現場がすごく楽しかったんです。最初の作品から最高の出会いがありました。

――ターニングポイントになった作品は何でしょうか?

清水 『渇き。』(14)という映画です。中島哲也監督には本当に感謝していて、僕の人生を変えてくれた方です。

――『渇き。』はヒットもしましたし、清水さんの演技も高い評価を受けました。

清水 それまで学校では「ドラマ出てたよね?」と言われることもあったんですけど、街中で知らない人から「『渇き。』の清水くんですよね?」と声をかけられるのが初めての経験で。それが自分の中で新鮮というか、衝撃でした。いまだに覚えていますし、そこから役者としての自覚が生まれました。