ファン層が広がったことで怖がられなくなった
--11月には、お二人それぞれ単独ライブを開催されます。構想はある程度固まりましたか?
おいでやす小田(以下、小田) 3年ぶりの単独です。僕がピン芸・ピンネタを本職としてることを知らない人に向けて数多くのベストネタをやろうかなと。まだ全部は固まってませんが、5~6個は決まっているので、あとはその倍ぐらいいけたらな、とは思ってます。
--こがけんさんはいかがですか?
こがけん 僕も3年前に単独ライブをやったんですが、普通にピンでR-1でファイナリストになった直後でした。だから小田さんが言ったように、それまでのベスト(ネタ)をやろうって感じです。もともとあるネタもやるんですけど、それプラス色々考えておいたものを肉付けして出そうと思っています。あとは20~25分のミュージカルをやろうかなと。曲を作って歌詞もあてはめてシナリオも作らなきゃいけない。シナリオはちょっと協力してもらいますが、人を集めて稽古もしなきゃいけないし、あんまり軽く決めるものじゃなかったと思っています(笑)。
--小田さんは、準備はそれなりに順調というところでしょうか?
小田 いやいや、今からという感じです。どっちにせよ、ややこしい構成にはしないので、どれだけ数を増やせるかですね。僕の場合は、声も持たへんし。ほんまにヘロヘロになるので、詰めすぎもよくないなと思いつつ。
--今回ライブを発表した時の反響はいかがでしたか?
小田 実は2カ月ぐらい前に、3年前の単独を見に来てくれた人限定でミニ単独みたいなものをシークレットでやったんです。僕のことを昔から応援してくれている方はそこで見ているので、新しい方からの反応のほうが大きかったかもしれないですね。
--小田さんのピンネタをしっかり見られるのはとても楽しみです。こがけんさんは、まだまだ調整中といったところでしょうか?
こがけん もうマジでやばい! 11月に単独やるのは、タイミング的にはむちゃくちゃいいのかなって思ったんですが、マネージャーに持ちかけられた時点ですでに2ヶ月前。準備としてはギリギリで、今は本当に走りながらっていう感じですね。
--ミュージカルの脚本は映画『HiGH&LOW THE MOVIE』などで知られる福田晶平さんが参加されているんですよね。
こがけん ただ、内容としては全くハイアンドローを書くような人が書きそうにないものをお願いしています。今日も一回書いてもらったものをほぼ全部変える、みたいなことになって(笑)。でも絶対楽しいものにしたいなと思っています。
--それぞれの単独ライブです。お互いが気になるところですね。
こがけん マネージャーなりに思うところがあっただろうし、結果的に面白い試みだなとは思いました。おいでやすこがに興味を持ってくれた人が、もしかして東京に泊まりで来て見てくれるかもしれないですしね。小田さんと僕は、全然タイプが違うと思うんで、ピン芸だと落差はめちゃくちゃ出るんじゃないかなと思います。
--小田さんはこがけんさんのライブ、いかがですか?
小田 もちろんスケジュールが大丈夫なら見ようかなと思ってます。僕はそもそもピン芸人が好きというか、ピンネタをやっている人に興味はあるので、どんなことをするのかなというのはもちろんですが、僕らしかできないユニットならではのいい出し方かなとは思います。
--それぞれピン芸人として活動されながら、おいでやすこがというユニットを経て、改めて単独ライブを実施するわけですが、それぞれのピンでの芸風に変化のようなものは感じていますか?
こがけん ネタ作りという意味では、コンビとピンではまったく違います。それに連チャンで自分のピンネタをやることはあまりないし、しかも新たな試みとしてのピンネタをやる機会もなくて、おいでやすこがのネタの稼働が圧倒的に多かったので、そういう意味では楽しみですね。
小田 ユニットを経験したからというより、露出が増えたことで変わる部分はあるかなとは思います。寄席のネタも以前とは受け方が違ったりしますし、いいか悪いかはわからないけど、作りやすくはなりました。
--ファン層が広がったことで、他に変わった部分はありますか?
小田 怖がられなくなった(笑)。前は(自分のことを)知らん人は怖がってたんです。逆に最近は静かなネタをやったら「いや、物足りひんな」みたいな感じもあります。いいのか悪いのかというところですね。今回は久々にやりたいネタも多いし、手は加えるけど劇的に変わるわけでもない。そのままの形を見てほしいという気持ちもあります。