働きながら365日中360日はゲーセンに通っていた

――初めてゲームに触れるきっかけはなんだったのでしょうか?

sako 小学校1年生の時に、友達とゲーム筐体(きょうたい)が置いてある駄菓子屋に行くようになって、そこで最初に遊んだのが『ストリートファイター』のⅠです。

――格闘ゲームの対戦をするようになったのはいつ頃からですか?

sako 中学生になって行動範囲が広くなり、放課後に友達と色々なゲームセンターに行くようになりました。タイトル的には『ストリートファイターⅡダッシュ』の時期かな。といってもクラスの友達と対戦をするくらいで、特別上手いわけではなかったです。本格的に対戦をするようになったのは働き始めた頃ですね。

――高校時代はそれほど格闘ゲームに打ち込んでいたわけではなかったんですね。

sako 高校時代は、吹奏楽部でクラリネットをやっていました。たまたま勧誘されて部活に入ったのですが、大会で賞を取るような名門校で、朝の6時半に登校して練習をして、帰りは夜の23 時という生活を続けていました。辛いというのはもちろんありましたが、練習をすればするだけ上達していくというのが楽しかったです。部員が100人近くいましたが、全員で演奏したときの音になんともいえない迫力があって、その中の一員でいることの嬉しさもあり、のめり込んでいました。

――部活漬けの生活から、格闘ゲームをやり込むようになるきっかけはなんだったのでしょう?

sako 吹奏楽を続けないかと誘われましたが、やりきってもうお腹一杯かなっていうのはありました。高校の最後の方はゲーセン通いも楽しくなっていたので、毎日夜遅くまで練習をして、自由な時間がないというのも嫌でした。就職する時はそこを基準に仕事を選び、朝は早いけど夕方には仕事が終わって自由時間があるという理由で、家がやっている仕事に就きました。それからは、夕方に仕事が終わってからすぐにゲーセンへ行って、閉店後は友達と店の前で話したり、帰ってまた練習をしたり。次の日は朝早くに起きて、眠い目を擦って仕事に行くっていう生活を繰り返していました。365日中360日くらいはゲーセンに通っていましたね。

――そこまでハマった理由はなんだったのでしょうか?

sako 運が良いのか悪いのか、通っていたゲーセンが、関西でもトップレベルの選手が集まる場所でした。初めのうちは、その日持っていった1万円を突っ込んで対戦しても、1勝もできないというのが普通でした。そんなことをずっと続けていくうちに、だんだん勝てるようになってきて、使うお金が少しずつ減っていきました。今まで勝てなかった相手に勝てるようになって、目に見えて勝率が上がっていくというのが楽しかったですね。自分はチャレンジャーじゃないと面白くないんですよ。