ピンチになればなるほど、楽しもうという精神が働く

──エグスプロージョン×ひとりでできるもん 20th Anniversary LIVE TOUR 2022 「COCKTAILS」を振り返って手応えはいかがでしたか?

まちゃあき ベストアルバムを出したあとのツアーなので、過去の自分達たちと向き合えるような内容になりましたね。ステージ上で「ああ、そうか。この時の俺、こんなことを考えていたな」とか振り返りを感じるような瞬間もあって。

おばら 全国ツアーは毎年ずっとやってきたけれど、ここ数年間はコロナ禍でできなかったんですよ。でも今年で結成20周年だし、どうしても今年はやりたい……そういう思いの中で実現した久しぶりの全国ツアーだったので、すごく感慨深かったです。やっぱり目の前のお客さんが喜んだ顔をしてくれるっていうのが一番大きいんですよ。これまでYouTubeとかいろんな活動はしていましたが、「俺たちはライブなんだ」と再確認できたようなツアーでしたね。

──キャリアが長くなってくると、どうしてもファンの求めるものが硬直化しがちですよね。そのニーズに応えていくのか、それとも新しいファンを掴みにいくのか? その辺りのバランスはどうお考えですか?

まちゃあき 僕たちは自分たちがやりたいことをするだけですね。

おばら ファンの声に寄り添いすぎないようにしているかもしれない。自分たちのやりたいことじゃないと続かないですから。ファンの期待に常に応え続けていくのは当然すぎる話。でも僕らのファンの方は全部を好きでいてくれてるので、そこに対するジレンマはないんですよ。

まちゃあき そもそもほとんどの人たちは仮にエグスプロージョンの名前を知っていても、YouTubeでバズった「本能寺の変」止まりだと思うんです。僕らが歌っていることも、音楽を作っていることも、劇団をやっていることも知らないし、プロデュースしていることも知らないはずです。僕ら、意外とアビリティーいっぱいあるんです(笑)。

──キャリアを総括するベスト盤をリリースしたことで気づいたことはありますか?

まちゃあき さっき「アビリティーがある」と言いましたが、アルバムにしたら余計に思ったんです。「なんじゃ、このまとまりのないアルバムは?」と(笑)。こんなに振り幅があるアーティストいないなと思ったし、自分に対する自信にもなりましたね。

──この20年を振り返って、大きなターニングポイントだと感じたタイミングを教えてください。

まちゃあき それはやっぱり2014年にメンバーが脱退したことでしょうね。2人になったからこそ「本能寺の変」が生まれたという面はありますので。

──メンバー変わったこととYouTubeが始まったことに、どういった因果関係があったんですか?

まちゃあき もともとエグスプロージョンは4人組だったんですけど、それが3人に減っても強引に4人用のネタを3人でやっていたんです。だけど2人になると、さすがにそれもできなくなった。手持ちのネタがなくなって本当に困ったんですけど、だったら2人でできる小回りの効くネタを作ろうってことで、YouTubeの「踊る授業シリーズ」が始まったんです。

おばら 僕たちエグスプロージョン史の中でピンチっていっぱいあるんですが、ピンチになればなるほど楽しもうという精神が働くんです。焦りの感情よりも、「とりあえず楽しむか!」と開き直る感じで。

──「本能寺の変」で周囲の評価も一変したのでは?

おばら 僕たちにとって一番大事なのはツアーの集客なんですよ。そこを強化したいからYouTubeを始めたわけで。バズったことはシンプルにうれしかったけど、「これで学ランが脱げなくなっちゃうね」ってまちゃあきさんと話したことを覚えています。実際、求められるのは「『本能寺の変』をやってください」という話ばかりで、ありがたい話ではあるものの、「本当はツアーに結びつけたかったんだけどな」という思いはありました。

まちゃあき 僕らにとって「本能寺の変」はコントの一つなんですよ。それ以上でもそれ以下でもない。実際にYouTubeで知ってツアーに足を運んでくれた新しいファンの方も大勢いて、それはとてもありがたかったです。でも、興味がない人は残酷なことを言ってきますからね。「は?『本能寺の変』まだ歌っているの?」とか「芸人なのに調子に乗って歌なんて始めちゃって」とか(苦笑)。「実は芸人じゃないんですよ」「じゃあ何なんですか?」「ダンサーです」「ダンサーなのに歌うの?」とかキャリア20年にもなって、いまだにイチから説明していますし。

おばら まだまだ活動を続け、もっと知ってもらわなくちゃいけないってことです(笑)。20年もやっていればいろんなことが起こりますが、それはこれからもたぶん同じ。自分たちらしさを失わないように頑張っていきます!

Information

『ベストプロージョン FAN’s BEST』
発売中

通常盤:YRCN-95362:2,000円(税込)
収録曲:
1.THEME OF EDISON 2016 
2.POP CORN 
3.CHAMELEON 
4.明智光秀~桔梗の夢~ 
5.Novel 
6.八月の風
7.ありがとうな(EGU-SPLOSION ver.) 
8.本能寺の変 
9.ペンギン 
10.千利休 
11.E判定 
12.A [ampere] 
13.BAD SATURDAY 
14.関ヶ原の戦い 
15.裁判 
16.GARIGARIBONE 
17.ピンポンダッシュ 
18.島原の乱 
19.GHOST? 
20.WEDDING HIGH

エグスプロージョン

ダンサー・パフォーマー・アーティスト

2002年、同じダンススクールに通う仲間で結成。2015年より現在の2人体制に(まちゃあき:1981年10月9日生まれ、山口県出身。おばらよしお:1982年3月12日生まれ、神奈川県出身)。ライブツアーを行いながら、アーティストへダンスの振付・ダンス講師をこなすほか、役者としても活躍する。YouTuberとしても有名で、特に「本能寺の変」など歴史を題材にした「踊る授業シリーズ」は若者から絶大な人気を博す。TikTokフォロワー数130,000超え、YouTubeチャンネル登録者数52万人超え、「本能寺の変」再生7400万回超え。

Editor:Keita Shibuya,Photographer:Hirokazu Nishimura,Interviewer: Mamoru Onoda