撮影前のリハーサルで3人のグルーブが出来上がっていった
――ドラマ「ぴーすおぶけーき」では、幼馴染の3人という設定の登場人物たちが、人々の悩みをゆる~く解決していきますが、下田くんを演じる基俊介さん、中村氏を演じる佐々木美玲さんの仲の良さが画面からも伝わってきました。
落合モトキ(以下、落合) 初めてお会いした時は、3人ともよそよそしい感じでした。特にみーぱん(佐々木)!(笑)。第1話の撮影前に2回ほどリハーサルをして、まずはセリフを覚えるところから始めたのですが、それで徐々に3人のグルーブができてきました。リハーサル以外でも「3人で一回セリフ合わせよっか」という感じで進めているうちに、距離がどんどん縮まってきて、あの感じを出せたのかなと思っています。
――それは他のドラマなどでもよくあることなのでしょうか?
落合 ドラマでは珍しいです。次の日の撮影に備えて、役者同士で台本を読み合わせて、なんて贅沢な時間だなと思いました。
--脚本を読んだ印象をお聞かせください。
落合 僕が演じる上原は本当に能天気なおバカちゃんの役です。大人になってもこんな作品に携われてよかったなと思ったし、「早く演じたいな、早く二人に会いたいな」という気持ちが強かったです。
--上原先輩とご自身に共通する部分はありましたか?
落合 いきなり「韓流スターになるんだ」とか「TikTokをやるんだ」なんて言い出すし、何にも追われることのない能天気な上原の生活ぶりに憧れるところはあります。僕自身、準備したものを披露する仕事をしている以上、表に出ていない時でも台本を覚えたりする時間もあるので、時間に追われることも多いですから。だから上原みたいに、後輩を従えてのんきにアメリカンドッグを食べてみたりしたいなと思っていました(笑)。
――上原先輩の元気なキャラクターはご自身で作られたものですか?
落合 リハーサルなどでいろいろ試していく中で定着していった感じです。監督からは「言い回しとかは好きに変えても大丈夫ですよ」と言われていました。
――実際に演じてみていかがでしたか?
落合 相手が話し終わる前に話し始めたりするなど展開が早いので、「アクセルの踏みどころはどこだろう」と苦労はしましたね。リハーサルを重ねるうちに対応できるようになっていったのですが、その分テンポはどんどん速くなっていったので、結構疲れたかもしれません(笑)。
--長回しのシーンも多いですし、尋常ではない緊張感の中、ポップな掛け合いを続けていくというのも簡単ではなさそうです。
落合 長回しのなかで、悩み相談者を含めた4人でお芝居する訳です。自分のセリフもきちんと言わなければいけないし、セリフがない時間はどうしていればいいのか考えなければいけません。そういう意味では気が抜けない撮影ではありました。長回しのシーンの間はずっと日陰のない場所にいることも多いので、わりと日焼けもしました(笑)。
--毎回様々な悩みを抱えたゲストが登場しますが、ゲストによって雰囲気やテンポ感も変わりそうですね。
落合 そうですね。「こういう空気でやってます。どうぞどうぞ、入って来てください」って、新しいバイト仲間を迎え入れるような感覚でしたね。そこでまた新しい風が吹くこともあったりして、毎回新鮮に演じさせていただきました。