一枚を通して「季節」を感じられるアルバムに

――メジャー2ndアルバム『SEASONS』のコンセプトを教えてください。

KENNY 今年、約1カ月に1回のペースでリリースしてきたものをまとめた今年の総集編みたいな一枚です。年間通して常にSPiCYSOLを聴いてもらいたいという気持ちをこめて『SEASONS』というタイトルにしていますが、タイトル通り季節を感じてもらえるアルバムになっています。

――約1カ月に1回のペースでリリースされるというのは素敵な企画で話題になりましたね。

KENNY 今はサブスク時代なので、一回アルバムを出すとその前後1、2カ月ぐらいは聴いてもらえても、その後はちょっと弱くなる。これはかなりビジネスライクな考え方ですが、約1カ月に1回のペースでリリースされることで、新曲に紐づいて聴かれなかった曲も聴いてもらえるようなメリットがあると思いました。アルバムの曲順も戦略の一つで、サブスクでアルバムの配信が始まると、大体みんな1曲目を聴くから、今回はリード曲の「Treasure」から聴いてもらえるようにしています。その後は先行配信の曲と、一枚を通して季節感を感じるようなバランスを見て考えています。

AKUN ストックとかデモとか、候補がたくさんある中で、アルバムでのリード曲はどういう立ち位置にするべきかと、みんなでそれぞれ候補を出して話し合って決めました。

KENNY 「Holy Night」というクリスマスソングも、今回入れるか入れないかで話し合いました。1曲配信だったら、その1曲を1ヶ月かけて作れるんですが、アルバム収録曲が残り3曲となった時は、同時進行の作業が多すぎて大変でした。その甲斐あって、タイトル通り、どんな季節にも寄り添うアルバムになってうれしいです。

――「Treasure」の洗練されたメロディーとKENNYさんの歌声の融合が素晴らしくて、確かに1曲目に聴いたら続けて聴きたくなります。

KENNY ありがとうございます。リード曲はかなり悩んで、アルバムの完成のクライマックスぐらいにようやく出来た曲です。アルバムを背負ってもらう曲になるので、僕が歌詞を書いたんですが、「SEASONS」という単語についていろいろ考えました。季節というのは日本でしか味わえない、日本の宝的な良さがあると思って、先に「Treasure」っていう曲のタイトルが決まって。そこから「自分の中の大切なものって何なんだろう」とか、「どういう考え方のもと、僕らは音楽をやって日々を生きているんだろう」と考えながら作った曲です。

――今回のアルバムには特典でスペシャルライブムービーも収録されるということですね。

KENNY 一番の見どころはロケーションです。とても危険なところで撮影したので。KAZUMAに至っては、崖から数十センチのところに立っています。そのハラハラ感を感じさせない演奏力を見ていただきたいです。

AKUN いついなくなるか、ハラハラしたよね。

PETE 見たらKAZUMAがいなかったらどうしようと(笑)。

AKUN 街灯もないような自然あふれるところで撮ろうということで、サンセットまで撮って、太陽が沈み切った真っ暗な中で撤収して、汗だくでびっちょびちょになって、蚊に刺されまくって、メジャー2枚目でもこれかと(笑)。

KENNY 本当に苦労した1枚でした。ティーンにはそこを伝えたいです。大人だって頑張ってるんだよ!と。

AKUN キラキラした世界だけじゃないよ。

KAZUMA ティーンの夢をぶち壊してきてしまう(笑)。

――そういった陰の頑張りがあってカッコいいアルバムが作れたということですね。

KENNY そう、そういうことです!

――アルバムを引っ提げてのツアーも始まりますが、楽しみにしている場所はありますか?

KAZUMA 北海道です。

KENNY 俺の親父におごってもらおうとしてる?

一同 (笑)

KENNY コロナ禍の前までは、札幌のライブが終わったら、なぜかうちの親父が張り切ってお店を貸し切って。

AKUN 北海道っぽいお店じゃないんです。そのお店で扱ってない、いくら丼を出しておもてなしをしてくれて。久しぶりに冬の北海道に行くので楽しみです。

――ティーンにおすすめの札幌のお店はありますか?

AKUN 冬なら、味噌ラーメンの「信玄」。日本一好きなラーメン屋さんで、チャーハンがすごく美味しくて。ラーメンと半チャーハンじゃなくて、そこは半ラーメンとチャーハンが出てくるのでオススメです。

KENNY 今回、ツアーファイナルが初めて行く「KT Zepp Yokohama」なのですが、12月25日のクリスマスということで吉と出るか、凶と出るか楽しみにしています。僕らのライブはカップルとか家族連れも多いので、デートスポットとしてもぜひ。