メンバーそれぞれのこだわり、挑戦が詰まった一曲とは

――皆さんそれぞれのアルバムの推し曲を教えてください。

KAZUMA 「LOUDER」です。今回初めてご一緒するドラムテクニシャンの方に入ってもらっています。レコーディングする時にチューニングしてくれたりする方なんですが、すごく相性が良くて。僕だったら作らないような音色で録ってみたんですが、広がりもあるし、かつタイトな、自分にない引き出しを出してくれて。ドラムの知識も幅広いですし、新しい発見がありました。メロディーもすごく好きなので、お気に入りの1曲でございます!

PETE 僕は「Skyscraper」。シンプルだけど、熱いメッセージもある曲です。最初AKUNと一緒に作っていた時はいろいろな音を重ねたりしていたんですが、AKUNが「シンプルにしたい」と言って、削ぎ落としていた結果、すごく聴きやすい曲になりました。最初はサックスソロをきれいめに入れていたんですけど、「綺麗すぎて合わないかも」と言われて入れ直してみたら、そのほうがマッチしました。作る過程にも思い入れがある曲です。

AKUN (PETEが)最初にくれたサックスの演奏がすごく丁寧で、それはそれで全然いいんですけど、「Skyscraper」の歌詞の世界観にはトゲがあったりするんです。なので、「歌と歌詞を聴いて、その後にここの部分で流れてくる音色というか、音を感じて吹いてください」とお願いしました。吹き方の強弱を変えてもらっただけで、フレーズ自体はそんなに変わっていないのにすごく変わりました。

PETE 最初は、本当に丁寧に吹いていたんですよ。確かに合わせてみたら「全体の曲の感じに対してきれいすぎたな」と。マウスピースもちょっとメタリックなものに変えて強めに、ふき方も歪ませて、アグレッシブ系でやったら、自分でもそっちのほうが良かったなと思いました。

AKUN より人間味がある音になったというか。コンピューターで作ったようなきれいな感じというよりは、人間じゃないと出せない音のほうが歌詞にも合っているなと思います。

――AKUNさんの推し曲はいかがですか。

AKUN 僕は作り手側の視点というか、面白い経験をさせてもらったっていうことで、「Lens」。この曲だけ、Apple Musicのドルビーアトモス対応の曲になっています。普通、スピーカーって2つの方向から音が来て聞こえるんですが、ドルビーアトモス対応だと、いろんなとこから音が来る。ミックス作業も立ち会わせてもらったんですが、360度囲む様にスピーカーがある中で、「この音をこう聴かせたい」というのを自分で調整するんです。

バンドによっては世界観が崩れちゃうから、色々な方向性から聴かせないという事もありますが、僕はアトラクションの感覚で、いろんな所からいろんな音を聴かせたいと思って。ギターが横に流れて行くとか、前から飛んでくるとか、コーラスも分けて横から飛んできて…とか。それが体験できたのは面白かったですね。この曲はもともとドラムの打ち込みにしようと思っていたんですけど、ドルビーアトモス対応になると、打ち込みの音と生の音がすごく立体的に聞こえるなと。なので、生ドラムを入れてもらって、より立体的というか、本当に映画館にいるような感じに作りました。ただ、聞いたところによると、ヘッドホンによっては全然その効果が出ないらしくて(笑)。

――環境によって二度楽しめるということで…!

AKUN そうですね、Appleのヘッドホンを買ってもらうと、僕のこだわりが聴こえると思います。普通のミックスとは違う映画のサウンドトラックを作っている感覚でできたのがすごく楽しかった。ドルビーアトモス対応だったらこういう曲が合うなというイメージが湧いたので、今回は途中から(ドルビーアトモス対応用に)曲を作りましたが、機会があれば、今度はゼロからやってみたいです。

――KENNYさんはどうですか?

KENNY 一曲選ぶのはかなり難しいんですけど、強いて挙げるなら9曲目の「Holy Night」です。初めてクリスマスソングを作らせてもらったので、歌詞に対しても挑戦だし、マイクも今回はちょっと違うものを使っていたんです。さっきのKAZUMAのドラムの話と近くて、新しい発見があったし、「Holy Night」で使ったマイクは、「一番日本人に合っているんじゃないか」と、エンジニアさんが言っていました。今回使ってみて、曲にすごく合っていると感じました。同じアーティストで何曲もクリスマスソングって作らないし、せいぜいクリスマスのカードが切れるのは1曲ですよね。だからこそ大切に作りました。