saji以前の楽曲からライブがスタート

ツアーの最終日となる渋谷WWW公演、ライブはsajiと、改名前のバンド・phatmans after schoolの楽曲を披露するセクションの2部構成。満員の観客に迎えられた彼らは、phatmans after schoolの1stシングルである「メディアリテラシー」からライブをスタート。ヨシダタクミ(Vo.)の透明感ある歌声に、ユタニシンヤ(Gt.)の華のあるギターサウンド、そしてヤマザキヨシミツ(Ba.)の安定感抜群のベースラインが見事に調和した迫力あるバンドサウンドが、エモーショナルな幕開けを彩る。そのまま「this world」「さよならスペースシャトル」とアップテンポナンバーをつなぎ、一気にオーディエンスの心をわしづかみに。

MCでは冒頭で「ついに帰ってきました、4年ぶりでございます!」と挨拶。それからphatmans after school 時代、2013年に東京で行った「メディアリテラシー」リリースイベントを振り返り、「来た人いる?」との問いかけに、客席からもちらほらと手を上げる人が。それに対し、「超初期メンじゃん!」と喜びの声を上げると、「その言い方がおっさんだよ!」とツッコミが入り、観客の笑いを誘う。客席にはphatmans after school時代のグッズを身に着けたファンも見受けられ、バンドとしてファンとともに着実に歩んできたキャリアを感じさせた。

さらにユタニが、phatmans after school時代、ある女性ファンにお願いされてCDにサインを書いたことがあったと言い、「(その女性が)手を差し出してきたから、いつもよりありがとうの気持ちを伝えようと思って、固く握手したら、『ペン(を返して)』って言われて……(笑)」と当時の悲愁に満ちた話をした後、「そんなこんなで今日も来てくれたみんなに全力で歌いたいと思います」と次の曲に行こうとすると、ヨシダからすかさず「信じられないくらいエピソード弱い!」とツッコミが。ユタニが「このまま気持ちよく曲にいけると思ったのに!」と言うと、ヨシダも「この後に歌うの俺だぜ?」と返し、観客の笑いを誘った。

その後、「棗」、「ツキヨミ」と思い出深い楽曲が続いた後、「改めて思うけど、phatmansって滅茶苦茶いい曲多いよね」と語り、「最後は久々のユタニ・パーティー・タイムをしたいと思います!渋谷準備できてますか、それでは行ってみましょう!」という曲振りで「MR.CRAZY」、そして「FR/DAY NIGHT」ではミラーボールも明滅。観客もハンドクラップで呼応し、会場の熱量を引き上げていく。phatmans after schoolセクション最後の曲は「あいまいみー」。ユタニもステージを右へ左へと飛び回り、サビではギターすら手放して、壇上で腕を振り上げ観客を煽り、底抜けのテンションをみせていった。