自分にはドラマの脚本は書けないと思っていた

--蓮見さんが脚本を手掛けたHuluショートドラマ「今日、ドイツ村は光らない」が配信中です。ドラマの脚本を書くのは初めてとのことですが、オファーされた時のお気持ちをお聞かせください。

蓮見翔(以下、蓮見) 自分にドラマは書けないと思っていました。でも「5分で書ける15本」と聞いて、5分なら普段のコントの尺とあまり変わらない、ただ5分のドラマをがっつりストーリーで観たいなんてみんな思わないだろうし、それなら普段やってるコントの面白味が入っているものならできるかなと。これからの入り口としても、すごく最適なものを用意していただけたなと思います。

――ドラマを書けないと思われたのはなぜですか?

蓮見 映像で人を表現するのは難しいと思っていたからです。僕自身、コメディー以外を書くつもりもなければ、コメディーでドラマを書く方法も見つかっていなかったんですよね。

--今回、脚本を書くにあたって制約のようなものはありましたか?

蓮見 総合演出が日本テレビの橋本和明さんだったので、好きにやらせてもらえるだろうなとは思っていました。毎回、ダウ90000の公演を見に来てくださっていましたし、とても面白い作品を作られる方です。最初の打ち合わせで「どういうものにしたいですか」と聞かれて、「フードワゴンの話をやってみたいです。ドイツ村でやるなら、それに寄せた話にしたいです」と言ったら、「じゃあそれにしよう」と。ロケ地もポンポンと決まりました。書き直しはほとんどなかったですし、橋本さんはすごくやさしい人です(笑)。

--今年は初の冠ドラマ「ダウ90000 深夜1時の内風呂で」(フジテレビ)にも進出し、続いて今回の「今日、ドイツ村は光らない」、合間には劇場公演、と目の回るような忙しさですね。

蓮見 びっくりするくらい忙しい期間が続いてます。公演中の今がスケジュール的には一番楽で、やっとちょっと一息つけている感じです。夜中もずーっと書いてなければいけない日々が続いてた時は、「マジで、これで面白くないと言われても!」と思ってましたが、もちろんそんな言い訳が通用する世界じゃない。面白いって言われなければ、今頑張ってる意味がないという思いで踏ん張れました。今はネタ帳にあるものを全部出しましたね。早く旅行に行きたいです(笑)。

--それほど忙しい中で、ネタ作りに割く時間をどのようにキープしていますか?

蓮見 ファミレスとかで隣の人の会話をメモっておくことが多いですし、メンバーが喋ったことを覚えておいて、そのまま舞台上で本人に言わせることもあります。自分の言葉だから一番自然ですしね。

--そういう時は、どういう会話に惹かれますか?

蓮見 エピソードトークにはあまり興味がありません。その人の中で当たり前だと思ってることがポロッっと出た時です。たとえば自分が働いている職場の話。僕自身は1回も就職したことがないですしね。その人が話し終わって満足したところを見計らって「さっきの話、詳しく聞かせてほしいけどな」って聞く。本当に興味なさそうに答えてくれるんだけど(笑)、やっぱり面白いなと思います。

--そういう場合は、話を聞きながらメモするんですか?

蓮見 本人の前でメモると、メモられる前提で喋るのでしません。帰るまで覚えておいたものをメモって寝ます。

--覚えているということは、それだけ面白かったということですしね。では完成した作品を見て初めてその友達は気づくわけですね。

蓮見 それが、気づかない奴もいるんです。YouTubeに挙げたコントを見てもらっても、「面白いね」だけ返ってきたりして。自分のことだって気づいてない奴は意外と多いです。