最終目標は自分たちの劇場を持つこと

--お笑い界からの注目度がますます上がっていますが、狙い通りでしたか?

蓮見 ダウ90000を作った時も、あえて劇団とは名乗らず、コントライブから始めました。「20歳そこそこの人間が作る100分の演劇なんて誰も見ないだろうし、5分ぐらいのコントをとにかくいっぱい作って、名前を売るためにもYouTubeに上げていこう」と思っていたこともあって、お笑いのほうからお客さんが流れてくれればいいなと。お客さんの数も演劇よりもお笑いのほうが多いですしね。芸人を目指していた僕としてはお笑いの方々が評価してくれるのは緊張もしますが、本当にうれしいです。

--他のメンバーの皆さんから、もう少し作風を演劇寄りにしたい、という声はありますか?

蓮見 佐久間宣行さんに評価されたのがうれしい、そこだけだと思いますね。もっと演劇で評価されたい、という欲はないと思います。「ABCお笑いグランプリ」でコントをやった時は少し意識するようになってはいましたが、最近は1周回って、みんな「もう何でもいいよ、また言われてる」みたいな雰囲気になってきています(笑)。いい方向に向かっていると思います。

--ダウ90000の皆さんがバラエティー番組のひな壇に座る日々も近々やってきそうですね。

蓮見 上手にできる気はしませんが、僕はバラエティーが好きなので挑戦したい気持ちはあります。でもメンバーからすれば苦手意識もあるだろうし、そこまでバラエティーに出たい感じでもないとは思うんですよね。第一、出方が分かってない。ノープランでバラエティーの現場に来たりするんで、「マジか!番組に呼んでもらっている以上は必死こいてやれよ」と思う訳です。それをしょうがないって受け止めて愛してくれるファンがいればいいけど、さすがにそれは受け手に委ね過ぎです。僕がどこまでみんなを頑張らせるべきか。難しいですね。

--今後の目標を教えてください。

蓮見 みんながやりたいことがやれるようになっていくのが一番です。バイトを辞められれば言い訳できなくなるので、今まで以上にクオリティー上げていかないと継続していけません。どれだけみんなが踏ん張れるかですね。8人での公演はずっと続けていきたいですし、各々が頑張れるようになっていけたらいいなと思います。

--連続ドラマが実現したとなると、次は映画でしょうか?

蓮見 映画学科で脚本を書くコースに4年間いたのに、自分が書いた映画が全然面白くなかったので(笑)、苦手意識はめちゃくちゃあります。たくさん勉強したうえで1本撮れればな、くらいには。あとは自分たちの劇場が欲しいですね。それが多分最終目標だと思う。客席も舞台も好きに動かせる場所が1つあれば、もっといろいろ好きなことができると思います。好きな芸人さんを呼んでライブができたら幸せだなと。だいぶ先の話だと思いますけどね。

--映画学科というお話が出ましたが、蓮見さんは日芸出身です。日大に進学してよかったなと思う部分はありますか?

蓮見 吉原怜那以外、ダウ90000のメンバーはみんな日大芸術学部です。ちょっと不思議なところではありますが、学科が違っても受けられる他学科公開授業など、面白かった授業がたくさんありました。特に好きだったのは文芸学科の単科の授業。毎週行ってました。芸人になることは諦めたけど、何かを書く仕事はしたいってぼんやりと思っていたから、いろんな授業を受けられたことは良かったです。就職先がある程度絞られてくるという意味ではデメリットかもしれないけど、その分同じようなことをやりたい人が近くにいるし、本気でそれを究めていける学校でした。実際音楽学科の子に曲を作ってもらったりしてましたし、演劇をするという意味でもすごくいい大学だったと思います。

--最後に進路選択を控える読者にメッセージをお願いします。

蓮見 僕は特に理由もなく就活をしませんでした。結果的に良かったけど、こんな過ごし方をするもんじゃないし、逃げ道をいっぱい持っておいたほうが精神衛生上いいとは思います。ただ、自分の性格に合わせたほうがいい。逃げ道があったほうがいいと思う人はいっぱい勉強して損はありません。何をするにしてもたくさん勉強したほうが役に立つと思います。

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蓮見翔

俳優・脚本家・演出家

1997年4月8日生まれ。ダウ90000主宰。2020年、主に日本大学芸術学部出身のメンバーとともに、演劇、芝居、お笑いなど枠にとらわれない活動をする8人組ユニット「ダウ90000」を立ち上げる。ユニットの作品の脚本・演出を担当し、同ユニットを「M-1グランプリ2021」の準々決勝、「ABCお笑いグランプリ2022」決勝進出に導いたことで話題を集めた。

Editor:Keita Shibuya,Photographer:Yasukazu Nishimura,Interviewer:Takahiro Iguchi