お父さんに泣いて東京に送り出してもらった

――上京したのはいつ頃ですか?

中村 中学生の間は地元から通って、高校のタイミングで上京して、東京の学校に通いました。

――学業と仕事の両立はいかがでしたか?

中村 なんだかんだでテストも頑張っていました。決して頭は良くないんですけど、負けず嫌いなので「テストで1位を獲りたい!」っていう思いから、1週間前にめちゃめちゃ自分を追い込んで頑張るんです。だから成績は良かったけど、地頭はそんなによくないからすぐ忘れちゃいます(笑)。

――中学校を卒業した後に上京するというのは、お仕事を始めた時から決めていたんですか?

中村 決めていなかったです。だからお父さんが泣いちゃって、泣いちゃって。所属事務所に挨拶に行った時も泣いちゃって恥ずかしかったんですけど、私ももらい泣きしました。

――上京してからモデルとしての意識に変化はありましたか?

中村 もう後戻りはできないなと。お父さんに泣いて送り出してもらいましたし、お母さんも「15年間しか一緒に暮らせなかった」と言っていて。『ニコラ』はお仕事というよりも、部活の延長線上みたいな感覚だったんですけど、東京に来てからは完全に仕事モードに切り替えて、どうにかしてモデルとして生きていかなければと意識が変わりました。

――すぐに東京に馴染むことはできましたか?

中村 はい。高校生活が楽しくて、すぐに友達もできたし、寮生も同じ年の子がいっぱいいたので、みんなで支え合っていました。

――もともとお芝居には興味がなかったそうですね。

中村 モデルの仕事をするために上京したので、お芝居に興味はなかったんです。でも上京したら、お芝居のレッスンには絶対に通わなきゃいけない。お芝居のレッスンが辛くて、「おなか痛いです」と言って休んだこともありました(笑)。それぐらい当時は、お芝居のことを考えると精神的に辛くて、リアルにおなかが痛かったんです。もともと恥ずかしがり屋でもあるので、人前で泣いたり、怒ったり、笑ったりするのが苦手で、苦痛だったんですが、初めて受けた朝ドラのオーディションをきっかけに意識が変わりました。

――オーディションがきっかけというと?

中村 初めて受けたお芝居のオーディションで、運よくカメラテストまで進んで。書類選考から、カメラテストまで3カ月くらいの長い期間があったんですけど、初めて一つの役のことについて考えるという経験をして。3ヶ月も考え続けると、役にすごく愛着が湧いて、気づいたら「この役をどうしてもやりたい」という思いに変わっていました。結果はダメでしたけど、あの時に自分の人生が切り替わりました。

――おいくつの時の出来事ですか?

中村 17歳、高校3年生の時です。いまだに一番悔しい経験であるけど、2番目にうれしい経験でもあります。今1番うれしい経験は、「らんまん」の出演が決まったことなので、2番目に変わっちゃいました (笑)。

――高校時代の時点で、このお仕事を続けていく覚悟はありましたか?

中村 ほかの選択肢はなかったです。

――モデルの経験がお芝居に活かせているなと感じたことはありますか?

中村 モデルはいかに自分を綺麗に見せるかが勝負だけど、お芝居ではいかに人間らしい部分を見せられるかだと思っているので、そこは全く別のものと考えています。ただ、お芝居の現場に入ってから、モデルの現場に行くと、ポージングだったり表情だったりが、すごく柔らかく幅広くなったと言ってもらえることが多いんです。確かにお芝居でいろんな表情をしているから、そこはモデルの時に良い影響を与えているのかなと思います。

――モデルとお芝居の軸足についてはどう考えていますか?

中村 今はお芝居の現場で受ける刺激が多いので、すごく楽しいんです。まだモデルのイメージが強い私ですが、早く一人前の役者として認められたいという思いが強くあります。どちらも続けていきたいと思っているんですけど、いずれはお芝居が軸になれたらいいなと。

――2つの軸があるというのもいいですよね。

中村 映像の現場は常に新人の気持ちでいるので、緊張や不安の連続だったりするんです。ただ雑誌の現場に行くと、不安だった心を持ち上げてくれるというか、落ち着きます。両方続けていたほうが自分のバランスが作りやすいだろうなと思います。

――俳優業、モデル業、それぞれどんな時にやりがいを感じますか?

中村 モデル業は、私は顔が薄いのでメイクによって別人に見えるのが強みだなと思ってます。だから、ビューティ誌の撮影は自分を生かせるのですごく楽しい。お芝居のやりがいは、いろいろありますが、たとえば今出演しているドラマ「高嶺のハナさん2」はコメディ色が強いんですが、私には昔から人を笑わせられる存在になりたいという思いがあって。だけど素の自分だと冗談とかも言いにくい。笑わせたい思いは強いんですけど、ムードメーカーになれないタイプの人間なんです。でも、お芝居では台本を通して演じているから、それを恥ずかしくなくできるので、すごく楽しいですね。

――「高嶺のハナさん2」で中村さんが演じる淀屋橋うめは、関西のノリが全開で初登場から、めちゃくちゃ面白かったです。

中村 ありがとうございます!そう言っていただけるとやりがいを感じます。

――最後にティーンに向けて、進路を考える上でのアドバイスやメッセージをお願いします。

中村 いろいろ周りのこととか気になることもあると思うんですけど、自分の思いに正直に、自分の直感を信じて頑張ってほしい。好きなことがなかなか見つからない人もいるかもしれませんが、きっといつか見つかるはずです。私も最初はお芝居に興味がなかったけど、今では一番続けていきたいものになっているので、自分を信じて頑張ってほしいです。

Information

真夜中ドラマ「高嶺のハナさん2」<4K制作ドラマ>

BSテレ東 毎週土曜深夜0:00~0:30
テレビ大阪 毎週土曜深夜1:00~1:30

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「推しが武道館いってくれたら死ぬ」

ABCテレビ 毎週日曜よる11:55~
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中村里帆

俳優・モデル

1999年8月6日生まれ、高知県出身。2013~2016年に雑誌『nicola(ニコラ)』専属モデル。2017年より雑誌『Ray』のレギュラーモデルとして活躍するほか、2021年にはドラマ『シンデレラはオンライン中!』で初主演。2022年10月より放送中のドラマ『高嶺のハナさん2』に淀屋橋うめ役、ドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』に五十嵐れお役で出演するほか、2023年度前期NHK連続テレビ小説『らんまん』への出演が控える。

Editor:Keita Shibuya,Photographer:Takuro Miyasato,Interviewer:Takahiro Iguchi,Stylist:Miri Wada,Hair&Make:Yuina Iwata
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