不動凪は、こじらせちゃってる中学2年生の男子

――初めてお話を聞いたときはどんなお気持ちでしたか?

小柳友(以下、小柳) 僕が所属しているスターダストプロモーションの会員向けコンテンツに、SDB(スターダストブリッジ)という宣伝メインのトーク番組があって、僕はそこで構成作家をやらせてもらっているんです。「高嶺のハナさん」のシーズン1の時に、主題歌を担当しているさくらしめじの二人がゲストに来てくれたことがあり、そこでこのドラマを知りました。だから、出演できると聞いた時は「まさか、自分が」と不思議な気持ちになりました。

――そんなことがあったんですね。演じられた不動凪は、ご自身と共感する部分がありましたか?

小柳 知れば知るほど分からなくなる役です(笑)。最初は、「言いたいことを言えないところは、自分に似ているかも」と思っていたんですけど、「いや違う。俺は言わないという選択をしているだけで、言えないとは違う」と。役を突き詰めるほど、「不動凪ってどういう男?何を考えてるんだろう?」とドツボにはまっていきました。

――クールという訳でもなく?

小柳 クールに見えるだけで、中身はこじらせちゃってる中学2年の男子です(笑)。「完璧主義者だから悪いところを見せたくないと、自分をガードしているんだろうな」と思って役作りをしていたんですけど、ハナさんの前だけではなく、まわりの人といる時も変な英語を言ったり、おかしなことをやっちゃったりしているので「あれ?」と(笑)。ドラマでは、かなり派手なことも起きるので楽しんで観てほしいです。

――小柳さんも見た目はクールですが、お話しすると軽妙な印象があります。

小柳 「黙っていたほうがいいよ」とは、時々言われます(笑)。

――「高嶺のハナさん」は、普通のラブコメディーともちょっと違いますね。

小柳 極端に振り切ってますよね。今まで自分が見てきたのは、「ラブ」「コメディー」とクッキリしたものが多かったけど、そのイメージが覆されました。シーズン2は、ふわふわしてやわらかい雰囲気に、エッジが効いて、さらに面白くなったと思います。

――コメディー的な演技については意識されましたか?

小柳 役者が笑いを意識するとしらじらしくなるんじゃないかという怖さがあったので、監督から「ダンボールに突っ込んでくれ」「ダンボールから出てくれ」といった指示があった時も、あえてコミカルにはせず、不動凪の存在感のままで演じました。監督はいろんなアイデアを受け入れてくれる方でしたが「じゃあ、ここまでいけるのかな」といろいろ提案すると「それはやり過ぎなんじゃないか」と言われたりして(笑)。その線引きは難しかったですね。

――ドラマはスピーディーな展開ですが、現場の雰囲気はどんな感じでしたか?

小柳 スタッフの方たちが笑ってくれるので、すごく演じやすい雰囲気でした。スタッフの方たちは、いわば一番初めに観てくれるお客さんじゃないですか。その人たちを笑わすことができるのは幸せです。みんなでいろいろアイデアを出し合って、「このシーンのためにこうしよう」といち早く動いてくれて、僕らを後押ししてくれているという雰囲気があるんです。テンポよくギャグを織り交ぜながらスピーディーに展開できるのは、そんなスタッフの方たちのおかげです。自由な気持ちで演じられたし、画面越しにもその雰囲気が伝わると思っています。

――主演の泉里香さんの印象をお聞かせください。

小柳 僕らは同い年で、実は昔、共演したこともあるんです。演じていると、「あのシーン、ダメだったな」という時も当然ある訳じゃないですか。スタッフさんたちがほめてくれる時もあればほめてくれない時もあるけど、それはリアルな反応だから悩んでもしかたないし、自分の中で考えるしかないんですよね。泉さんがすごいのは、それを自分の中で解決して、別のシーンで超えてくるような演技を見せてくれるんです。尊敬しますね。不動凪流に言うと“尊い”です。

――同世代の役者さん同士だと、より共感する部分もあったりしますか?

小柳 ありますね。34歳って、仕事の酸いも甘いも理解した上で、どうやっていこうかと考える時期だからこそ、しゃべっていて楽しいし、お互いを認められる関係が築けるんです。男同士で飲むと芝居論でぶつかって、大変なことになることもあるけど、女性は落ち着いて話ができるのでいいですね(笑)。