苦手だったコメディーに向き合うことができた

――演技のお仕事をするなかで、ターニングポイントのようなものはありましたか?

小柳 出演した作品すべてをターニングポイントにしたいという気持ちで臨んでいますが、コメディー作品で考えると、舞台「鎌塚氏、舞い散る」(19)です。もともと、映画『ブルース・ブラザーズ』みたいなミュージカルコメディーが大好きで、コメディーにずっと憧れていたんです。でも、いざ自分が演じることになったら、どうやっていいか分からない。稽古中も周りを嫌な空気にさせるぐらいスベッていました。自分の無力さを痛感しつつ、でも演じなくちゃいけないから「どうしたらいいんだろう」とずっと悩んでいました。その時、マネージャーに「友くんはこっちの方向性じゃないかもね」と言ってもらえて、そうじゃない場所で自分を探してみようと振り切れたんです。そういう意味でターニングポイントになった作品です。その後、今回の「高嶺のハナさん2」に出会えて、あらためてコメディーと向き合いました。以前のように分からないじゃなくて、どうしたら面白くなるのかを分析して、笑いを突き詰めてロジック化したんです。だから、「高嶺のハナさん2」もターニングポイントになった作品だと言えますね。

――最後にティーンに向けて、進路を考える上でのアドバイスやメッセージをお願いします。

小柳 そもそも、10代で人生を決めろというほうが難しいですよね。職業を知るという意味では、いろんなドラマや映画を観て、選択肢を増やすのもありだと思います。齊藤工さんは、映画館のない地域に劇場体験を届ける移動映画館「cinéma bird」というボランティア活動をされているのですが、アフリカのある地域に行った時、そこの子どもたちは、医者と先生くらいしか職業を知らなかったそうです。齊藤さんは「映画を通じていろんな人、いろんな職業があることを知ってほしい」とお話しされていましたが、俳優の仕事はそういう面でも影響力があるんですよね。実際に、アパレル会社の社長をしていた友人で、僕が出演した醤油蔵のドラマを観て、「実家の醤油蔵を継ぎたくなった」と、社長業を辞めて実家に帰った人もいます。それはちょっと極端ですが(笑)。もう一つ、 “好きこそものの上手なれ”という言葉があるように、好きなことを仕事にするのは一番理想だけど、30歳を過ぎたぐらいに、あらためて人生を考えることもあるので、「これを一生の仕事にして、頑張って続けていくんだ!」と決めつけず、自分に求められていることも視野に入れておいたほうがいいと思います。

Information

「高嶺のハナさん2」
BSテレ東・真夜中ドラマ枠にて放送中
BSテレ東 毎週土曜深夜0:00〜0:30
テレビ大阪 毎週土曜深夜 1:00〜1:30
※ NTTドコモ「ひかり TV」で1週間先行配信
原作:「高嶺のハナさん」ムラタコウジ(日本文芸社「週刊漫画ゴラク」連載)
出演:泉里香 小越勇輝 香音 中村里帆 /小柳友 猪塚健太
監督:内藤瑛亮、高杉考宏、塚田芽来
脚本:岡庭ななみ、宮本勇人、渋谷英史
プロデューサー:瀧川治水(BSテレ東)、 清家優輝(ファインエンターテイメント)
コンテンツプロデューサー:清水俊雄(BSテレ東)、久保田渉(BSテレ東)、渡辺瑞希(BSテレ東)
制作: BSテレ東/ファインエンターテイメント
製作著作:「高嶺のハナさん2」製作委員会 2022
©ムラタコウジ/日本文芸社 ©「高嶺のハナさん 2」製作委員会 2022

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小柳友

俳優

1988年8月29日生まれ。東京都出身。2006年映画『タイヨウのうた』で俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台を中心に活躍。2008年公開の映画『トウキョウソナタ』では、高崎映画祭最優秀新人男優賞受賞。2015、 2016年には作・演出・出演を自らが行うユニットGus4を兄弟で立ち上げ、二人芝居にも挑戦した。現在放送中の「ウルトラマンデッカー」(22/テレビ東京系)、「高嶺のハナさん 2」(22/BSテレ東系)に出演中。

Editor:Keita Shibuya,Photographer:Yu Tomono,Interviewer:Takahiro Iguchi, Stylist:Eriko Iida(CORAZON)
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