3年ぶりのツアーファイナルでエンジン全開。巧みな歌唱力を見せつける

軽快なオープニングBGMに合わせて、手を叩きながら登場したのはステージを支えたバックバンドの面々。客席では手拍子が響き、主役のカノエが彼らに続いて手を叩きながら登場すると、観客の盛り上がりはさらに高まった。

ドラムを打ち付ける音を浴びながら、カノエは「みなさんこんばんは!」と元気よく挨拶。アコースティックギターを力強くかき鳴らした1曲目「花束の幸福論」では、ときに目をつぶりながら心を込めるように歌い上げ、観客と笑顔で見つめ合った。

人見知りならば共感できる日常の“あるある”を詰め込んだ「ヒトミシリ」では、にっこりと微笑みながら軽やかな歌声を披露。ツアーにつながった3rdフルアルバム『歌楽的イノセンス』のリード曲である「思春期中二話症候群」では、客席をじっと見つめながら思いを振り絞るかのように歌い上げるカノエのパフォーマンスを前に、観客も腕を後ろから前へと勢いよく腕を振り応じていた。

MCでは「東京ただいま〜!」と叫び、会場を盛り上げるカノエ。コロナ禍の影響で「声が『ウオー!』とは出せないんですけど、その代わり本日、私がけっこうサビ中とかで、ああやったりこうやったり、揺れときますので、アクションしてもえるとうれしいなと思っております」と観客へ伝えた。

パフォーマンスへ戻り、ギターを置いたカノエはバックバンドのサポートを受けて、スタンドマイクの前で「天高く響け 青嵐の様に」をライブ初披露。情熱的な歌詞をしっとり歌い上げながら、曲中ではしなやかなファルセットも響かせ、変幻自在で巧みな歌唱力を見せつけた。

たたみかけるようにスピーディなフレーズが連なる「グラトニック・ラヴ」では、ジャジーなメロディに合わせて客席からもリズミカルな手拍子が。再びギターを手にして披露した「jOKER」では、素早く小刻みなリズムに合わせて、カノエのアコースティックギターのストロークがさらに強さを増した。