求められてそれに応えられる蓮見くんはカッコいい

――ドラマ「今日、ドイツ村は光らない」で、ダウ90000の皆さんと一緒に演じられていかがでしたか?

小関裕太(以下、小関) 刺激的でしたね。本読みの段階で、すでにテンションや距離感など、ドラマの世界感が出来上がっていたことに驚きました。普段から舞台でお芝居をされているダウ90000の皆さんにとっては、当たり前のことかもしれませんが、僕はそこまで読み切れていなかったので勉強になりました。だから本読みはすごく楽しかったですし、テンポ良く飛び交う言葉たちがとても気持ちよかったです。蓮見(翔)君のダメ出しがまた的確なんです。

――的確というと、どんな感じだったのでしょうか?

小関 もともと面白いのに、蓮見君がいじると、会話や内容、ドラマ全体がより豊かになっていく。やっぱり演出家だなと思いました。僕もある程度準備をして臨んだけど、現場に行ったら想像したものと違ったので、用意していたパターンの中の1つを膨らませるようにしました。そもそも、僕の役名が「小関」なんです(笑)。同じ名前の僕自身をベースにしながら、先輩やお客様、従業員との関係のなかでどういう役回りをすべきか、総合演出をされた橋本(和明)さんから指示をいただいたりしながら、軌道修正を重ねて役を探っていきました。

――蓮見さんと小関さんは世代が近いですが、どんな印象を持たれましたか?

小関 「メンタル強いな~」と思いました。相当忙しいみたいで、撮影当時はこのドラマに加えて別のドラマの脚本も書かれていて、さらに他の作品も抱えていたらしく「まる2日間寝てないんです」と嘆いていました。今、公演中の舞台(ダウ90000第四回演劇公演『いちおう捨てるけどとっておく』2022年10月5日~10月19日)の台本は全く着手していなかったようです(笑)。求められてそれに応えられるのがすごいし、純粋にカッコいいなと思いました。

――「いちおう捨てるけどとっておく」はご覧になられましたか?

小関 観ました。予想通り、テンポ感と空気感が絶妙でした。「そこはこういう風に作っているんだろうな」とか「ここはこう合わせたのかな」とか、一緒にお芝居をした仲間として、作られていく過程を想像しながら隅々までじっくり観させていただきました。メンバーの園田(祥太)くんが演じる全く気を遣えない男が、女子のいがみ合いに揉まれて、だんだんと気を遣えるようになる様子が面白かったです。声の張り方ひとつとっても、ドラマと舞台で違う表現をされていたので、ドラマの時とは一味違う部分が見えたのも面白かったですね。

――ダウ90000さんの作品は心の機微や人と人の関係性が繊細に描かれますよね。

小関 どのキャラクターも「いるいる!」と思えるところが魅力です。