久しぶりにプライベートで遊び倒して再発見した“4人の絆”

──今回のシングル「キラキラ」は3ヶ月間マンスリーでリリースされる「冬の大三角形」シリーズの第一弾なんですよね。

柳田周作(以下、柳田) メジャー以降、僕たちはずっとデジタルシングルという形でコンスタントにリリースしてきたんですね。今年3月には全20曲収録のフルアルバムも出しましたし。そういう中で冬に向けてシングルを出したら面白いんじゃないかという話になったんです。これまでも神サイは夜空や星をテーマにした曲が多かったし、今回もドラマチックな星座がモチーフとなりました。

──楽曲に星や夜空といったテーマが多いのはなぜでしょうか?

柳田 単純に星が好きというのが大きい(笑)。星ってキラキラ輝いて見えるけど、実際はとっくの昔に爆発してなくなっているものもあるじゃないですか。そこにすごく不思議な魅力を感じるんです。もうないはずのものが今もキラキラ輝いている。音楽も似たようなところがあって、もし僕たちが死んでも残した音楽は消えないはず。みんなの心にずっと残り続ける名曲を作りたいというのは、神サイというバンドの基本姿勢かもしれない。

冬の大三角形

──柳田さん以外のメンバーも、星や夜空に興味はありますか?

吉田喜一(以下、吉田) みんなSFが好きだし、都市伝説とかも掘り下げる傾向がありますね。だから星をテーマにすると言われても違和感はまったくないし、むしろスッと自分の中に入ってくる感覚があるかな。

柳田 神サイ、みんな『インターステラー』が大好きなんですよ(笑)。

桐木岳貢(以下、桐木) 夜空ってロマンがあるじゃないですか。そこがいいんですよね。4人とも田舎出身だから東京ではこんなにも星が見えないということを知り、本当に驚愕しました。「空を見上げても、都会では星が見つからない」なんて想像もしていなかったことなので。神サイにとって切り離せないテーマであることは間違いないでしょうね。

黒川亮介(以下、黒川) 今回のMonthly Winter Releaseに関していうと、「ライブで盛り上がる」という点を重視したところはあるかもしれない。「ライブが華やかになる」「ファンの人がグッと盛り上がってくれる」という点をチームで話しましたね。

桐木 大きかったのは、夏に何本もフェスに出演させてもらったこと。そこで「もっとライブ・チューンが欲しい」という話に自然となったんですよ。

キラキラ

──制作の過程で、今までと違う点はありましたか?

黒川 ちょうど「キラキラ」を作るとき、久しぶりにプライベートで4人が集まったんです。それが結構大きかったかもしれません。頭を空っぽにして、本当に少年時代に戻ったような感覚で遊び倒しましたから。

桐木 その日は六本木でダーティ・ループスのライブを観る予定だったんです。でも開演まで時間があるから、それまで遊ぼうかという話になりまして。遊ぶといっても4人で神社に行ったり、散歩したりしていただけなんですけど(笑)。

吉田 変な古着屋とか、変な古本屋にも行ったよ(笑)。

桐木 公園にいた子供と一緒に戯れたりね(笑)。

柳田 今の僕たちにとって、音楽は仕事になっているじゃないですか。あまり音楽を仕事って言いたくないんですけど。あの日はバンドとして集まったというより、昔の遊び仲間で騒いでいたという感覚だったな。

──現在の神サイは“昔からの友達”というよりも“仕事上のパートナー”みたいな関係なんですか?

柳田 当たり前だけど、普段から4人で一緒にいる時間はめちゃくちゃ長いんですよ。ライブに向かう車の中だったり、楽屋の中だったり、レコーディングだったり……。だけど、あの日に限っては明確にノリがいつもと違いましたね。

黒川 目的のライブが終わると、お酒を買いつつコンビニ前で乾杯する流れになって(笑)。すでにみんなテンションが上がっていたから、「このまま帰るのも違うよなあ。じゃあ歩いて帰ろうか」みたいに謎の盛り上がりを見せたんです。

桐木 マジで何時間も歩きましたからね。

柳田 その道中でも、俺はマジ帰りたくなかった。今回の「キラキラ」という曲は、そういった大人になると失われる感情のことも歌っているんです。学生時代って別に理由もなく友達の家に集まってダベったりしますよね。ダラダラと漫画読んだりして。今になって気づくんですけど、実はそういう無意味に思えるような時間が大事だったりもするんです。

──たしかに「キラキラ」で描かれている世界観と密接に繋がっていますね。

柳田 これはバンドのメンバーだけに限った話じゃなくて、人間関係全般に言えることだと思うんですよ。熟年夫婦や仕事仲間でも“気づくと距離ができていた”ってことはあるはずですから。特に夫婦だと踏み込みづらい領域も出てくるかもしれないけど、「たまには北海道でも行って、カニでも食うか」みたいな会話も大事じゃないかと僕は思っています。