「ネタは叩いたら良くなる」ということを最近学んだ
――「M-1グランプリ2022」の準々決勝を突破されましたね。
小野竜輔(以下、小野) そうですね。準決勝は27組しかいないので、すごく優秀な成績だと思います。
――「漫才至上主義」の4組とも、準々決勝に進出されました。一緒に活動していて刺激を受けましたか?
小野 「負けられないな」という気持ちが強くなりました。
野澤 ライバル心に火がつきました。
――お二人はYouTubeチャンネルでたくさんのネタを披露していますが、どれくらいネタを持っていらっしゃるんですか?
小野 漫才だけだったら2、300個ぐらいあるのかな……。
野澤 ネタの数だけはあります(笑)。
小野 ただ、ちゃんとウケるのは、その中で2本ぐらいしかないんじゃないかな(笑)。
――ネタはどのように作っているのですか?
小野 野澤がある程度の形を作って、そこから二人で話し合って足したり、お客さんの反応を見て変えたりしています。
野澤 「ネタは叩いたら良くなる」ということを最近学びました(笑)。今までは、そのまま作ってそのままで終わりでした。
――ブラッシュアップしていなかったのですね。
野澤 そうなんです。普通はみんなブラッシュアップしてるんですよね。
小野 単純にサボっていたので、良くなるわけがないんです(笑)。ネタを叩く時は、ひとりだと意見が偏っちゃうし、伝わらない部分もありそうだから、二人で話し合うようにしています。
野澤 今年の「M-1」の3回戦の時のネタは、初稿、2稿、3稿と修正を重ねて気づいたら17稿までいって、「こんなに直したんだ」と驚きました。
小野 まあ、これが普通だから。今ごろこの作業をやってる僕らに驚くわ!
――ネタを書き直したほうがいいと気づいたのはいつ頃からですか?
小野 今年からです。真空ジェシカとお互いのネタをカバーするマンツーマンライブをした時に、去年の「M-1」の決勝でやった真空ジェシカのネタを僕らがカバーしたんです。彼らのネタを文字で起こして読んでみたら、全く無駄のない最低限のセリフのボケとツッコミ。最速で笑いを取れる絞り込まれたネタを目のあたりにして「これくらいやらないと決勝に行けないんだな」と悟りました。あれはホントやってよかった。
野澤 他人のネタを書き起こしたほうがいいというのは、よく言われていることなんです。僕も昔は、チュートリアルさんのネタを書き起こしていましたし。
小野 そうそう。昔はやっていたのにね。改めて初心に戻りました。