ジュノン・ボーイになったら、仮面ライダーになれると思っていた

――印象に残ったシーンはありましたか?

黒羽 カニの足が宙を舞っているシーンですね。現場では映像をチェックしていなかったので、完成した作品を観て、「こうなったんだ~!」と驚きました(笑)。後は、松井玲奈さんとバーに行ったシーン。松井さんのお酒の飲み方がとにかく艶っぽくて。狙いではあるんですけど、個人的にかなり印象に残りました。

――彼女役の穂志もえかさんはいかがでしたか?

黒羽 穂志さんの雰囲気や佇まい、醸し出す空気感が(清川)莉奈そのものでした。カメラが回っていない時もずっと莉奈なんですよね。年齢は僕より少し下だけど、素敵な女優さんです。

――穂志さんとは撮影中にどんなお話をされましたか?

黒羽 焼き肉が好きだとおっしゃっていて、めちゃめちゃ意外でした。お肉は食べないような雰囲気なので、見た目とのギャップを感じましたね。

――修一が編集を担当することになる売れっ子コメンテーター・西川役の安井順平さんの印象はいかがでしたか?

黒羽 安井さんは、面白くて、「本当に腹が立つ」と感じたほど、嫌な芝居がお上手でした(笑)。役に対するアプローチが強くて、すごいなと思いました。お芝居を引っ張ってもらえたのでありがたかったです。

――本作は#イキゴメのハッシュタグを使ってTwitterでたくさん拡散されています。黒羽さんはSNSを活用されていますか?

黒羽 SNSは使ってはいますが、あんまり興味がないです。見るのは好きなんですけど、普段からあまり写真も撮らないし、自分から情報をアップするのが苦手です。よく「更新してください」と言われるんですけど忘れがちですね。俳優仲間のSNSを見て「あ、次はこういう作品に出るんだ」とかチェックしたりしています。今の10代はTikTokが主流らしいですね。

――この世界に興味を持ったきっかけを教えてください。

黒羽 17歳の時に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に応募したのがきっかけです。地元の宮城県に、同い年でジュノン・ボーイになった人がいて「じゃあお前もイケるだろ」みたいなノリで友達にすすめられて応募したら、ファイナルまで残って“準グランプリ”に選ばれました。まわりにモデルをしている友達がいたので、芸能界を身近に感じていたのかもしれません。当時は「これで就職活動が終わった!」くらいの感覚でした。ジュノン・ボーイになったら、エスカレーター式に、ドラマに出て、仮面ライダーになって、映画に出演して……とバラ色の未来を思い描いていましたが、現実は全く違いました(笑)。そもそも、芝居もできないし、歌も歌えないし、ダンスもできない。芸能活動をなめてたんです。「俺、何もできない。ヤバい」って思いましたね。そんな状況でもお芝居を続けていると、演じることの楽しさが少しずつわかってくるようになってきて、そこから本気で芝居と向き合うようになりました。

――くじけずに、踏みとどまることができたのですね。

黒羽 いやいや、何度もくじけましたよ。「もうダメだ」と思って親に「辞めて地元に帰る」と言ったら「いいよ」という風に言ってくれて。拍子抜けしましたが「別にこの世界じゃなくても許されるんだ」って思ったらすごく気が楽になりました。「辞めたくなったらいつでも帰ってきなさい」と言われたのが一番の救いでしたね。「“逃げる”という保険がある」と考えるようになったら、無鉄砲に突っ込んでいけるようになりました。

――ご家族は黒羽さんの活動を応援してくださっていますか?

黒羽 そうですね。自分が出る作品はチェックして観てくれているようです。