自分らしい戦い方と向き合えた 1年だった

――お芝居への興味はいつくらいから持ち始めましたか?

大友 事務所に入ったのが小学6年生の時で、そこから1年間お芝居のレッスンを受けるうちにお芝居の楽しさや難しさを知りました。お仕事として続けていきたいと思うようになったのが中学1年生ぐらいだったので、その頃から興味があったと思います。お仕事としてもっと頑張ろう思うようになったきっかけは、高校3年生の時に出演させていただいた舞台「大きな虹のあとで ~不動四兄弟~」です。セットも音楽もほとんど使わないシンプルな舞台。それまで生でお客さんの反応を感じる経験がほとんどなかったので、すごく緊張しました。その舞台を経験したことで、私自身、身一つでできることをもっと極めていかないといけないなと感じて、引き締まる思いでした。

――学校とお仕事の両立で意識されていたことはありましたか?

大友 どちらも全力を尽くすと決めていました。周りの人に気を遣わせたくなかったので、課題はもちろん全て提出しましたし、赤点も絶対に取らないと決めていました。学校行事も積極的に参加していたので、学校も満喫できていたと思います。

――映像でターニングポイントになった作品はなんでしょうか?

大友 自分の中で一番挑戦だった作品は「あなたの番です」というドラマです。それまでは柔らかい性格の役や学生など、どこか自分と重なる部分がある役が多かったんです。でも、そのドラマではヒョウ柄の服に、金髪混じりの派手な髪の毛で、目元に紫のラメをつけているような、見た目からもヤンキーな女の子の役。本来の自分からかけ離れた役を演じることが初めてで、大きな挑戦でした。2クールにわたるドラマの中で、強烈な役をどうすれば作品の一部として効果的に演じられるのだろうかと悩みました。難しかった分、印象的な役です。

――Seventeenモデルを卒業されて、お芝居のスタンスに変化はありましたか?

大友 今まではお芝居をしていると、「花恋ちゃんはお芝居もするんだね」と言われることが多かったんです。皆さんに最初に知ってもらったのが雑誌だったので、モデルさんがお芝居もしているという見え方だったのかと思います。でも、そのように思われることが悔しくて……。「モデルの傍らでお芝居をしている訳ではなく、どちらも本気なんだ!」というトゲトゲした気持ちがあった時期もありました。今ではジャンルや枠組みにとらわれていたのは自分だったんだと気づいて心に余裕が生まれ、よりリラックスした気持ちで現場に行けるようになりました。

――お芝居でやりがいを感じるのはどんな時ですか?

大友 完成した作品を観た時です。現場で、「あの時、あのスタッフさんがこだわっていたところが、こういう風になったのか」とか、現場の雰囲気が完成した作品からにじんでいるのを見ると、「頑張ってよかったな」と思います。みんなで一つのものを作り上げたという達成感は大きなやりがいになります。

――「王様のブランチ」を始め、たくさんのバラエティー番組にも出演されています。

大友 最初にレギュラーで出演させていただいた番組が「王様のブランチ」です。皆さんすごく温かくてアットホームで。みんなでコミュニケーションを取って面白いエンタメを作ろうという気持ちは、雑誌やドラマと通ずる部分なので、最初から楽しく参加できました。

――Seventeenモデルを卒業して1年が経ちましたが、どんな1年でしたか?

大友 今年は自分のペースを認められるようになった年だったと思います。『Seventeen』を卒業した去年は、環境の変化が大きすぎて、「これではダメな気がする」「もっとこうしないといけない」「まだ足りない」と、自分のお仕事やペースに対して、不安を感じることが多かったんです。でも今年は、そのように不安に思っていたことも全て前向きに受け止められて、今の自分に合った進み方というのが分かった気がします。バラエティーに挑戦することもそうですし、映像作品や雑誌なども焦らず自分のペースで。私らしい戦い方を見つけて、それと向き合えた1年でした。

――進路選択を控えている読者にメッセージをお願いします。

大友 最終的に自分がどうなりたいか、目指したい自分の姿が見えてさえいれば何とかなると思います。どのような道を選んで進んで行くかという過程や、何の仕事に就きたいかなど、目の前の具体的な目標も大切ですが、未来の自分がどうありたいかを想像することができれば、道は切り開けると思います。