無観客ライブで滑ったことも

――M-1の前の週には「ラヴィット!」にB.B.クィーンズさんの仮装で出演されて話題になりました。あの仕込みはいつから考えていたのですか?

誠 前日ぐらいですね。素でいくのもアレだし、B.B.クィーンズさんでいこうかと。

――お二人はあまり素を見せないですね。

愛 素でいくのはまだちょっと怖いです。

誠 楽しんでいただきたい気持ちもあったしね。勇気と技量があれば2時間あのままでいけたんですけど、まだ足りなかったですね。

――「THE W 2022」では準優勝されました。M-1に向けて弾みがつきましたか?

愛 いい流れに持って行けたんじゃないかなと思います。

――お二人のネタはコントと漫才、どちらにも振れそうなスタイルですね。

愛 最初はオーソドックスなツッコミもあったし、今とは違ったんですよ。

誠 新ネタライブに出るためのネタを愛さんに見せたらいい反応が得られなかった時があったんです。「このネタはやめよう」ということになったけど、ライブが始まるまで4~5時間しかないから、とりあえず愛さんが「どすこい」と言い続けて、私が隣で何かをすることにしました。ネタ合わせで、「一度ツッコもうか」という案も出たのですが……。

愛 「どすこい、どすこい」と言いながらツッコむのは気持ち悪いし、意味が分からないから(笑)。ツッコミは無しにしました。

誠 ライブでそのネタをやってみたら、意外に良かったんです。「ツッコまなくても成立するんだ」と自信がついて、このスタイルに変わっていきました。

――愛さんはずっと同じことを繰り返すことをどう思われましたか?

愛 特に何も思わないですが、テンポを崩さないようにしようとは意識しました。

――最初のネタはどんな内容だったのですか?

愛 どんなのだったっけ?

誠 リモート会議でリモート中のジョニー・デップさんが出てきちゃうみたいな内容で、さすがに分かりにくいんじゃないかと。ジョニー・デップさんのモノマネも難しかったし。

愛 そうだった。あまりにも分かりにくかったので、「すいません」と言いました(笑)。

――結果として、その判断が功を奏したのですね。突拍子もないことをすると滑ることも多いですが、それがないのが素晴らしいです。

愛 いや、めちゃくちゃ滑る時もありますよ(笑)。

誠 無観客で滑ったこともあります。

愛 (笑)。 スタッフも全ていなくなっちゃったんじゃないかと思いました。

誠 劇場自体が滑ってましたね。でもそのネタを見返した時に2人で大笑いして、何で滑ったのか分からなかったんです。一応分析しようともしましたが、「そんなことより面白い!」で終わってしまいました。

――お二人は、小さい頃から人を笑わせるのが好きでしたか?

愛 全校生徒の前でとか、クラスのみんなの前で、ワーワーするタイプではなかったですけど仲のいい友達の間ではおちゃらけていました。

誠 私も同じような感じです。

――愛さんが吹奏楽部に入っていたのは中学時代ですか?

愛 そうです。中学で始めてバリトンサックスを担当していました。高校でも吹奏楽部に入部しましたが、違う楽器の担当になったので高校2年生の時に退部して一般の楽団に入り直しました。とにかく、バリトンサックスが演奏したかったんです。

誠 どんだけバリトンサックスが好きなんだって話ですよね。

愛 これ、バリトンサックス愛が伝わる、個人的にはすごく気に入ってるエピソードなんですよ(笑)。今も演奏したいと思っているので、お金が貯まったら買います。

――バリトンサックスは自分から演奏したいと思ったのですか?

愛 そうです。部活体験でいろんな楽器を試した時に、一番好きになったのがバリトンサックスでした。低音が好きなんです。みんなはメロディー楽器を希望するから即担当に決まりました。

――バリトンサックスはカッコいいですよね。誠さんは何か打ち込んだことはありますか?

誠 テニスですね。小学校の高学年頃から始めて、高校もテニス推薦で入りました。

――テニス推薦で高校に行かれたのですね。

誠 練習が緩い強豪校だったので、怒られることもなく、楽しかったですね。

――高校時代の行事などで印象に残っていることはありますか?

誠 体育祭の騎馬戦で最後の1騎になり勝ったことです。

――体育祭は積極的に参加するほうでしたか?

誠 いや、体が小さいから上に乗っただけです……。

愛 私は、文化祭で花火が上がったことですかね。

誠 いい学校だね。