「オーフェン」には時代を超えた普遍性がある
――2023年1月から、「魔術士オーフェンはぐれ旅 アーバンラマ編」の放送が始まりました。1998年に第1期が放送された「魔術士オーフェンはぐれ旅」について、当時はどのような印象を抱いていらっしゃいましたか?
小野大輔(以下、小野) 当時、僕は大学生でした。制作の仕事がしたくて音響技師になるための勉強をしていたのですが、一方で声優を目指し始めた頃と重なります。
――当時はいわゆるライトノベル全盛期で、メディアミックス(※テレビ、新聞、ラジオ、インターネットなど性格の異なる複数のメディアを組み合わせた広告戦略)が盛んになり始めた頃でもありましたよね。
小野 そうですね。「魔術士オーフェンはぐれ旅」(以下、「オーフェン」)は、ファンタジー小説のなかでも王道を行く作品だったと思いますし、一つの時代を作った作品だと言っていいと思います。オーフェン=森久保祥太郎だったし、「我は放つ光の白刃!」というセリフも強烈に耳に残っています。
――今回の「アーバンラマ編」では行方知れずとなったオーフェンの義姉・アザリーを探す道中、オーフェン一行が謎の女剣士・ロッテーシャ(青木志貴)と出会うところからスタートし、魔剣・フリークダイヤモンドを巡る戦い、聖域からの暗殺者との衝突、かつての兄弟子との再会などが描かれます。小野さんが演じるエドはロッテーシャ同様、「アーバンラマ編」から登場するキャラクターで、寡黙で目的のためなら手段を選ばないところがあって、オーフェンと過去に何らかの関わりがあるという設定です。オファーがあった時の気持ちをお聞かせください。
小野 「オーフェン」には時代を超えた普遍的な魅力があります。今回参加させていただいて改めてそれを実感しました。確かに当時、面白いな、楽しいなと思って観ていましたが、20年以上も前のことですから、今となっては古く感じるのではないかと思っていたんです。それが、むしろ40代になった今だからこそわかるし、深さを感じる。改めてキャリアを重ねた今、再び「オーフェン」に触れることができてうれしかったですね。