若手からも貪欲に教えを乞いたい
──今年に入ってから精力的な活動が目立っていますね。2月4日~5日に大宮ラクーン吉本劇場で単独2DAYSを実施。3月からは渋谷・無限大ドームⅠで若手コント師と6カ月連続でツーマンライブを敢行します。
ひろゆき いきなり内輪の話で恐縮なのですが、実はマネージャーのチームが3カ月ほど前に変わったんですよ。そこで「これからGAGはどうしていくか?」という話になりましてね。「やっぱりキングオブコントで優勝したい」というのが3人の共通する意見として出てきた。「そこを目指すため、とにかく自分たちでできることは全部やっていこう」という話の中、「だったら、こういうのはどうですか?」とスタッフから提案があったのが、今回の6連続ツーマンと2日連続のワンマンだったんです。
──キングオブコント優勝が至上命題としてあったということですか。お笑いの賞はほかにも存在しますが、GAGにとってキングオブコントはなぜ特別なのでしょうか?
福井俊太郎(以下、福井) それを説明するには、東京に出てきた8~9年前まで話がさかのぼります。そもそも僕たち、キングオブコントで優勝するために上京したんですよ。ずっと大阪で活動していたけど、準決勝の会場は東京。そこで東京のお客さんの前でコントをすることの難しさに直面したんですよね。本気で優勝を目指すなら、拠点を東京に移したほうがいいんじゃないかと考えまして。
SJ 僕たちにとってキングオブコントは「数多くあるお笑い系の賞のひとつ」という位置づけではないんです。キングオブコントの存在が僕たち3人をつないでいると言っても過言ではないくらいですから。大阪で活動していた時代、僕らは漫才もやっていたんです。大阪って漫才文化がめちゃくちゃ強い土地ですからね。だけど本音としてはコントでやっていきたいとずっと思っていて。それでコントをやろうと3人で組んだ2年後くらいにキングオブコントが始まったんですよ。
福井 そうやね。GAGの歩みはキングオブコント抜きでは語れないな。
SJ トリオ体制になってからは、ずっとキングオブコントを目標にして芸人を続けている感じ。とにかく出場し続けるというのは3人で決めていたし、優勝するまでは芸人を辞めることもできない。半ば意地に近いかたちで優勝を目指しています。
──キングオブコント優勝を目指すにあたってツーマンを行うというのは、どういう理由からだったんですか?
福井 吉本の劇場が埼玉県の大宮と千葉県の幕張にありまして、僕らはそこに立たせてもらうことが多いんですよ。ところがお客さんの層というのは会場によってだいぶ違うもので、同じ吉本の劇場でも渋谷とか神保町になるとグッと若い人が多くなる。なんだかんだ言っても僕らは15年以上続けているので、もっと幅広い層の方にアピールしたほうがいいとスタッフ側からも提案があったんです。
──ツーマンということで特に意識する点はありますか?
福井 一緒に行う6組は、今までほぼGAGと絡みがなかったんです。マネージャーさんとしては、あえてそういう相手を選んだそうです。アピールする層を広げたいわけですから。正直、今の若手の芸人がどんな感じのネタをやって、どんな感じでウケているのか、僕らもわかっていない部分があるんですよ。
SJ 芸歴的には僕らが先輩かもだけど、「胸を貸す」という感じではないですね。「若手から教えを乞う」という姿勢で臨みたい。6組全部がキングオブコントで優勝を狙える力を持っているので、俄然、気合も入ります。
──かが屋、男性ブランコ、ニッポンの社長など、発表されている相手はたしかに勢いのあるユニットばかりです。
ひろゆき この前、僕はかが屋の配信チケットを自腹で買って観ました。めちゃくちゃ面白かったですね。すごく演技の勉強にもなりましたし。今回も6組すべてから芸を盗んでいくというか、袖で観ながら勉強したいと考えています。
福井 僕らは異常に不器用ですからね。「芸を盗みます」なんて口で言ったところで、そう簡単に真似できるとは思えない(苦笑)。だけど勉強になることや吸収できることは必ずあるはずなので、なにかしらプラスに結びつけたいです。