心が安らぐチルな音楽が好き

――今回、永田さんが出演する「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」は、2018年のトニー賞で作品賞を含む10部門を独占したニューヨーク発のミュージカルで、日本オリジナル演出による上演になります。どういう内容なのでしょうか?

永田崇人(以下、永田) エジプトのアレクサンドリア警察音楽隊という格式高い音楽隊が、イスラエルの街にやってくるんですが、本当はペタハ・ティクヴァという街に行くはずが、聞き間違えて一字違いのベイト・ハティクヴァという辺境の街に到着してしまうんです。その日は他に交通手段もなく、音楽隊は一晩を過ごすのですが、その街で、いろんな出会いがあって、少しずつ変化が起きていくというコメディーです。

――永田さんが演じるのは、音楽隊が訪れる食堂の従業員パピです。

永田 パピは女性恐怖症なんですが、それを乗り越えていく姿が描かれます。この作品の登場人物で一番若くて、恋愛に悩める少年です。

――先ほど稽古場を通ったら、楽器の音が聴こえてきました。

永田 警察音楽隊が舞台上で生演奏を繰り広げるんです。やはり生で楽器の音を聴くと、気持ちも高揚しますね。音楽は国境を超えると言いますが、それぐらい音楽にはパワーがあって、美しいメロディーによって人がつながっていくというお話しでもあります。良い曲ばかりで、温かみもあります。

――音楽以外の見どころはどこでしょうか。

永田 それぞれの世代に分かれてストーリーが進んでいくので、僕らのような若者、親の世代、お年を召されたシニアの方々など、どんな世代の方が見ても共感できる作品です。ただ世代は違えど、それぞれの悩みは大きな括りでいうと共通していて、同じ人間なんだなと考えさせられます。

――永田さん自身は普段、どういう音楽を聴くことが多いんですか?

永田 基本的に心が安らぐチルな音楽が好きで、歌モノを聴くことが多いです。アーティストでいうと、大橋トリオさんとコラボしたこともある、韓国系アメリカ人のシンガーソングライター「THE CHARM PARK(ザ・チャーム・パーク)」が好きですね。あと、いつからか筋トレの時だけTWICEを聴くようになりました(笑)。一緒に筋トレする友達が好きで、その影響で聴くようになって。筋トレに飽きた時は、TWICEの曲を踊ることもあります(笑)。

――学生時代は、どういうアーティストを聴いていましたか?

永田 大塚愛さんやいきものがかりさん、Mr.Childrenさんを聴きながら高校に通っていました。学校が遠くて、通学に一時間ぐらいかかるので、音楽が救いでした。当時聴いていた曲を聴き返すと、甘酸っぱい学生時代を思い出しますね。