視点が合わないゴーレムとの闘いに苦労した
――Season4から出演される「君と世界が終わる日に」ですが、オファーを受ける前のドラマの印象を教えてください。
溝端淳平(以下、溝端) 地上波、しかもゴールデンの枠でゾンビサバイバルドラマというのは、かなりチャレンジした企画だなと注目していました。いざ観てみると、ゾンビものでありつつも骨太な人間ドラマがしっかりと描かれていて、作り手の方々の熱意も伝わってくる作品という印象でした。
――普段から、ゾンビなどのホラーを観たりしますか?
溝端 話題になった「ウォーキング・デッド」は、人気の理由が知りたくて観たことがあります。
――「君と世界が終わる日に」Season4のオファーを受けた時はどういう気持ちでしたか?
溝端 Season3が完結したような終わり方だったので、新キャストとして参加できることに驚きました。さらには映画製作もあると聞き、こんなに大きなプロジェクトに関れるチャンスをいただけてとても光栄です。
――溝端さんが演じる加州宗一は、クールでカッコいい役柄です。
溝端 これまで演じてきた役とは違う、僕自身のパブリックイメージを覆す役です。今出演している大河ドラマ「どうする家康」もそうですが、まだまだいろんなチャンスがあるんだと実感しました。34歳になったタイミングで、想像がつかなかったような扉が開いている感じがします。
――加州は本心をなかなか見せない役ですが、演じるにあたり意識したことはありますか?
溝端 加州は危険な雰囲気がにじみ出る、どちらかというとドラマに出てくる囚人側に近い人間だと思っています。玉城ティナさんが演じる聖母のような明日葉に、人類への希望みたいなものを抱くことで、自分自身を保つことができているんだと思います。自分のエゴとのバランスを崩さないように、明日葉への想いを含めさまざまな欲を押さえつけている葛藤を意識するようにしました。
――今後の展開次第で、役の印象が変わりそうですね。
溝端 加州は演じがいのある役です。視聴者の方には、セリフで詳しく説明するのではなく、行間や空白から読み解いていだくことになるので、うまく伝えられるように監督やプロデューサーの方々と話し合いながら進めています。
――現場の雰囲気はすでに出来上がっていましたか?
溝端 スタッフさんたちは同じチームで続けているので、バッチリ連携がとれていてスムーズでした。キャスト陣は、竹内涼真くんと飯豊まりえさん、桜井日奈子さん以外は、僕を含めて全員新キャストなので、新鮮な気持ちで臨めました。竹内くんは明るいし、玉城さんもノリがいいし、前田公輝くんは周りをよく見て気遣いができる人。芝居への熱い想いを持ちながらも、根っこがハッピーな人がそろっていたので平和な現場です。
――ゾンビのゴーレムとのアクションシーンもありました。
溝端 プロのアクション部の方がゴーレムを演じているので、安心して戦えたのですが、ゴーレムは白いコンタクトをしているので、アクションで目を合わせることができず、そこが盲点でした。殺陣の基本は戦う相手とアイコンタクトを取ることなので、難しかったです。